日大は変わるのか:その(1)
あえて元旦に無粋な話をする。年末の数日間、かなり真剣にやっていたのは、「日本大学再生に向けての提案書」への署名運動だった。これはもともと文科省の高等教育局長から加藤学長(兼理事長、逮捕された田中理事長は解任)へ12月17日に出された指導文書に端を発した。要するに改革案を見たが全然ダメなので1月11日までに出し直せ、というもの。
その文書には「学生・保護者・教職員等からの意見を十分に聴取し、それらの声を真摯に受け止めたうえで、社会から十分な納得が得られるような抜本的な対応を打ち出すこと」と書かれていた。そこで加藤学長兼理事長は12月22日付で全教職員宛てに12月31日までに意見を寄せるよう一斉メールを出し、翌日は何と全学生に出した。
私はあの大学は変わらないと考えるクセがついていたのでどうしようかと思ったが、何も出さないのもシャクなので、思い付きをA4で2枚に書いて24日に送った。そうしたら翌日夕方に文理学部の知り合いの古川隆久教授から9頁のしっかりしたものが送られてきた。文理学部の3名で作ったが、賛同者を求めているとのことだった。
確かに各教員が意見を送るよりも、複数で意見を出し合った精度の高い文章に多くの署名があった方がインパクトがあると思った。少なくとも無視はできない。送られてきたものをざっと読んだ限りでは部分的に異論はあっても、方向は間違っていないと考えて私の名前を出してかまわないと返事をした。
それから同じコースの数名の同僚教員に転送した。26日には私の名前を含む14名の名前が入った改訂版(12版)が送られてきたので、自分の学科や日大のほかの学科や学部の知り合いにBCCでメールを送った。
するとほかの学科の2人から連絡があったので、おもしろくなって私は同じ芸術学部で少しでも顔のわかる教員全員に送ったのが29日。その日の午後にはさらなる改定版(42版!)が送られてきて芸術学部の6人の名前があった。最終的に31日夜に理事長に出した時点では10学部159人、芸術学部からは12名となった。私はかつて非常勤をやった通信教育部の先生にも連絡を取ったせいか、そこからも6名。
芸術学部だけでも150人を超す助教以上の専任教員がいると思うので、これは圧倒的に少ない。それでも文理学部のたった3人から始めた運動が、休暇中の6日間でこれだけの賛同を得られたとは、やはりみんな危機感を持っているのだろう。賛成した教員の多くは日大以外の出身者だが、日大出身者も少なからずいる。
送った文書はたぶんこのサイトで見られる。最初に比べるとかなりソフトな内容になっている。さて日大は変わるのか。今後の経過もここで書いていきたい。正月早々に物騒な話で失礼!
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