今年の映画を振り返る
今年は156本の映画をスクリーンで見た。DVDや配信や授業で見たのは数えていない。普通だとベネチアとパリで30本、山形で10本でおおむね200本くらいだが、コロナ禍では仕方がない。東京国際映画祭と東京フィルメックスが重なったのも10本ほど減る原因になった。さてどの映画がよかったか。
朝日新聞デジタル「論座」に書いたベスト5は以下の通り。
1.『ボストン市庁舎』(フレデリック・ワイズマン監督)、2.『水俣曼荼羅』(原一男監督)、3.『いとみち』(横浜聡子監督)、4.『チャンシルさんには福が多いね』 (キム・チョヒ監督)、5.『プロミシング・ヤング・ウーマン』(エメラルド・フェネル監督)
次点『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)、『明日の食卓』(瀬々敬久監督)、『由宇子の天秤』(春本雄二郎監督)、『ONODA 一万夜を越えて』(アルチュール・アラリ監督)、『ミセス・ノイズィ』(天野千尋監督)、『17歳の瞳に映る世界』(エリザ・ヒットマン監督)、『ペトルーニャに祝福を』(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督)、『アメリカン・ユートピア』(スパイク・リー監督)
話題:東京国際映画祭の大改革、「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」の4本、「よみがえる台湾語映画の世界」の7本、田中絹代監督作品6本のデジタル復元
映画の趣味は何年か100本以上を毎年見るとだんだん近づいてゆくが、さて年間の3本や5本を選ぶとだいぶ違う。今年はドキュメンタリーと女性映画の年だと決めてかかったせいか、ほかの人とだいぶ違った。1番近かったのは「読売」の恩田泰子記者で1.『ボストン市庁舎』2.『アメリカン・ユートピア』、3.『水俣曼荼羅』。
『いとみち』を挙げる人はいないと信じていたが、「日経」で宇田川幸洋さんが1位にしていたのが嬉しかった。同じ「日経」では中条省平さんが『ボストン市庁舎』を1位に、村山匡一郎さんが『水俣曼荼羅』を3位に。
「朝日」では秦早穂子さんが『水俣曼荼羅』を1位に。3位が上映中の『ダーク・ウォーター』で、実は「日経」の中条さんも同じだったので慌てて見に行ったが(力作!)、これについては後日書く。「毎日」は渡辺浩さんが『水俣曼荼羅』を邦画1位、高橋諭治さんが『プロミシング・ヤング・ウーマン』を洋画1位。
なぜ濱口竜介作品を入れなかったかについては、『ドライブ・マイ・カー』は村上春樹の原作にもある気取った感じがどこか苦手だったし、『偶然と想像』は最近見たので間に合わなかった。『孤独の血LEVEL2』と『DAU.ナターシャ』は次点に入れるべきだったが忘れていた。多くが挙げた『すばらしき世界』『あのこは貴族』『茜色に焼かれる』『空白』は4本とも作りもの加減が気になった。
それにしても『チャンシルさんは福が多いね』を挙げる人は誰もいない。そんなこんなで還暦の年は明けてゆく。みなさん、よいお年を。
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コメント
「すばらしき世界」は視点180°を変えて観ることで、凄く面白かったです。
投稿: onscreen | 2022年1月 1日 (土) 07時39分