還暦になって:その(28)よく眠る
それにしてもよく眠る。特に寒くなったこの10日ほどは、1日に8時間くらい寝ている。飲み会がなければ、夜は10時前後にほろ酔い状態で寝る。そして起きるのは朝の6時前後。途中で一度も起きない。
長い間、夜中に最低1度はトイレに起きていた。忙しかった30代から40代前半までは2度や3度も起きることがあった。これが40代後半に大学に移ってから1回になり、さらに50代半ばになると行かなくなった。おそらく新聞社にいた頃は、精神的にも追われていたというか、たえず緊張状態にあったからだろう。
この話をすると「記者は大変でしょう」と言われるが、私の場合は短い記者時代が文化方面だったこともあり、長年文化事業部で展覧会をやっていた頃の方が何倍も緊張感があった。特に海外から来るメールが怖くて、夜中によく確認していた時期もあった。
大学も最初は緊張したが、3、4年やるとだんだんパターンができて、同じことの繰り返しになる。パワポを用意すれば、毎年同じものの微調整で授業ができる。そんなこんなで還暦になってあと5年となると、急に「まとめの時期」に来た感じがする。よく眠るのはそういう年齢だからか。
だいたい朝の2、3時まではぐっすり眠るが、それからは寝たり起きたりで夢を見始める。昔ならこの間に起きていたが、今はあえて時計も見ない。たまに窓の方を見ると、夜明け前だとかすかな光があるのでわかる。それがだいたい5時半とか6時頃。つまりは3時間くらいを断続的にいくつもの夢を見る。
当たり前だが、夢は滅茶苦茶だ。しかし私の場合は毎朝一つのテーマがあってそのバリエーションを繰り返す。多くは過去にあったできごとがねじ曲がって現れる。なぜか幼少期でなければ、最初の職場である役所、次の新聞社が多い。あとは海外もの。なぜか高校や大学はまず出てこない。あれほど苦労したはずなのに。
一番多いのは海外での苦労。食べるものがないとか、バスや列車が来ないとか、歩いても目的の場所がないとか。おおむねフランスかイタリアが多いが、どこかわからない海外も多い。多いのは襲われる話で、これは怖い。たまに宇宙人が現れるのは映画の見過ぎか。
過去の職場ものは、実際にいた人に関わるものが多い。出世した同世代の女性がたまに出るのは、やはり憎んで(ひがんで)いたからだろう。ほんの少ししか仕事をしていない人も出てきて驚く。もちろん夢は歪んでいるので、なぜか水泳をしていたり、みんなで野原にいたり。
そんなこんなで朝6時くらいに起きると、本当に爽快な気分。6時25分からNHKのテレビ体操でさらに調子が出てくる。これは長生きするかも。そういえば、ここに書いた岩波ホール閉館の話を手直しして朝日新聞デジタル「論座」に書いたのでご一読を。明日10時まで全文無料。
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