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2022年1月23日 (日)

第6波下の大学

オミクロン株が恐ろしい勢いで広がっている。大学は休みが多いので、今までのところ波がやってきた時はうまく避けられた。去年の夏の第5波はピークの8月末は休みで、9月末に大学が始まる頃には下火になっていた。今回も1月になって増え始めたので、これは乗り切れると私は思った。

つまり1月末には授業や試験が終わるので、それからピークになるだろうと考えた。ところが今回の第6波は早い。10日頃から倍々ゲームで、いつの間にか第5波の数を追い抜いてしまった。

ネットで読んだが、福岡の大学でこの状況で対面の試験をやるのはおかしい、と学生が声を挙げているそうだ。大学は試験は完全な対策を取っているので大丈夫と主張しているらしい。確かに試験中は話さないから試験自体はうつらないが、問題はそのあとさきである。

先週ある対面の試験後に、複数の陽性者が出た。正確に言うと、ある1名が陽性だったが知らずに前日夜に何人も集まって「勉強会」をした。その学生は試験後に打ち上げを兼ねて別の大勢と「昼食会」をした。その結果、勉強会と昼食会の参加者の両方から陽性者が出た。

保健所によると「濃厚接触者」は「1メートル以内で15分以上マスクなしで話す」ことが条件のようだ。試験も勉強もうつらないが、食事をしたらおしまいである。だから対面の試験をしたら、いろいろな影響は出やすい。これは試験をやる方が悪いのか、食事をする方が間違っているのか。

対面の試験をやる前に、複数の問い合わせが来た。この状況下で試験をやるのかというもので、単なる質問から脅しに近いものまで。こちらは福岡の大学と同じく、試験自体はうつらないこと、高熱の場合などは後日オンライン試験の対応を考えていることを説明した。私のメールでの回答を逐一SNSにアップする学生もいた。

オンライン試験は難しい。基本的にすべて持ち込み可になってしまうから、覚えているかを聞いても意味がない。さらにネット検索で意味や内容がすぐ出るような問題は出せない。答えはLINEで友人に流せる。こちらとしては、検索しても出てこない、根源的な思考を求めるような記述式にするしかない。

ある学生は去年のオンライン試験の時に、10人ほど集まって受けたと教えてくれた。優秀な学生がみんなに答えを教えて、同じ文章にならないように各自で書き換えたと。10人も集まったら濃厚接触だろう。マスクをしているか知らないが、狭い、換気の悪いアパートで学生が集まる図を想像するだに怖い。オンライン試験も危ない。

対面の試験は無事すんだが、採点をして気づいたのは例年より点数が低いこと。授業は対面でしながらオンライン受講可にしたが(そうすると多くて1/3ほどが対面)、やはりオンライン授業は寝ながらスマホで聞くことも可能なので、真面目に聞かない者もいるだろう。

いずれにせよ、こういう悩みは今年一杯にして欲しい。

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