還暦になって:その(25)寒い
還暦になる前から、たぶん50歳を過ぎた頃から、冬の寒さを強く感じるようになった。全体的な方向としては温暖化に向かっていて、いわゆる「暖冬」が増えたはずなのに、若い頃に比べると冬は本当に厚着になった。まず、ブーツを履くようになったのは40歳過ぎてから。
ブーツは履くのが面倒くさいが、いつ頃からかナシでは済まされなくなった。足元が寒いのは一番辛い。最初は主にイタリア製やフランス製のすべて皮のものを買っていたが、だんだん日本製の靴底がゴムのものを買うようになった。その方が軽くて雨にも強いし、修理も安くすむ。最近では欧米のブランドも皮以外の靴底が増えてきた。
手袋を使うようになったのはいつ頃からだろうか。たぶん2005年にベルリン国際映画祭に行く時に買ったのかもしれない。いずれにしても、今は100メートル先のコンビニに行くのに、手袋をつける。お金を払うのに手袋を外す面倒があっても、欠かせなくなった。そのうえ、私はよく手袋をなくす。だいたい常時2組持っていて、毎冬に1組(多くは片方だけ)をなくすので、毎年一組を買っている。
手袋はセールで必ず安くなるので、いつも正月明けに買っている。今年も数日前に買った。昔は皮だけの薄いものを使っていたが、最近は中に毛糸などが入った厚いタイプが好きだ。どうせなくすので、高いものは買わなくなった。
マフラーとコートは昔から持っていたが、マフラーの種類は増えた。これは手袋と違ってなぜかなくさない。使わない時はコートのポケットに入れるからだろうか。そのうえ、長持ちするからどんどん増えている。
最近になって使い始めたのが、チョッキ。今は「チョッキ」という言葉はあまり使わないので、お店で買う時は「ベスト」と呼ぶ。最近、女子学生から「先生のジレ、かわいいですね」と言われたので「あなたはフランス語を勉強していますか」と聞いてしまった。「ジレ」はフランス語のgiletだが、聞いてみると女性誌にはそう表記されているらしい。
ついでに「ちなみにベストはフランス語でveste、上着やジャケットを指すよ」と説明するが、もちろんもう学生は聞いていない。個人的にはやはりチョッキで、百貨店で今のセールの時期になると、あちこちを覗く。これはダサいブランドでもいいものを売っていたりするから不思議。また、アニエス・ベーとかマーガレット・ハウエルとか女性デザイナーは確実にかわいいものを売っている。
そんなこんなでジャケットの下にチョッキ、その上にコートにマフラー、手袋、ブーツと重装備で今日も大学へ行く。
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