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2022年2月 8日 (火)

『355』の王道感

予告編でジェシカ・チャステインが男たちをなぎ倒し、機関銃をぶっ放すのを見て見たくなったのが、『355』。大好きなダイアン・クルーガーも出ているというので、封切り早々に劇場で見た。

見た感想は、予想通りというか「007」のような王道感、安定感があった。まず、パリ、モロッコ、上海と世界中を主人公たちが駆け巡るエキゾチックな世界旅行の楽しみがある。パリは2区あたりの屋根のある狭いパサージュのある道を駆け抜け、モロッコはマラケシュの迷宮のようなマーケットに逃れた敵を追う。

話としては、世界のあらゆるネットのセキュリティを潜り抜けるコンピュータ・デバイスがコロンビアで開発され、争奪戦の末にパリに持ち込まれる。それを追ってCIAのメイス(ジェシカ・チャステイン)はパリに飛ぶ。そこでドイツのスパイのマリー(ダイアン・クルーガー)と揉めるが、2人は協力することに。

メイスは信頼する英国のMI6メンバーのハディージャ(ルピタ・ニョンゴ)にサイバー戦略を任せて、コロンビアの心理学者グラシエラ(ペネロペ・クルース)も加わって、4人の女たちはモロッコへ行く。ようやくデバイスを手にしたと思ったが、それは再びリン(ファン・ビンビン)率いる上海のグループに奪われる。

上海ではオークション会場でデバイスが高価な壺に隠して売りに出されるが、コロンビアのテロ集団はそれを強引に落札する。リンは4人の女達と組んでそれを取り戻そうとする。最後はホテルの高層階での5人の女達と武装集団との銃撃戦。

戦う女たちはアメリカ、ドイツ、コロンビア、アフリカ系英国人、中国人と世界の主な人種だし、みんな美女だけど40歳くらいの働き盛りで、男たちの飾り物だった「007」のボンドガールと違って、実際のアクションで男と対等に戦う。結局のところ追跡と銃撃戦だけだけど、5人の女たちが体を張って世界を駆け巡るだけで、爽快な気分になる。

なにより「007」と同じく、「勝つ」とわかっているトーンで最初から始まるので、どんな危機が訪れても安心。終りは2か月後に5人の女たちが再会して最悪の敵を殺し、「また会おう」となる。いかにも続編ありますよ、という感じの終わり方もまた王道感溢れるものだった。ただし、見終わるとすぐに忘れてしまうかも。監督は『X-MEN:ダーク・フェニックス』のサイモン・キンバーグ。

 

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