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2022年6月 1日 (水)

還暦になって(39)物忘れと記憶力減退

還暦を過ぎて物忘れが激しい。よくあるのが時間を忘れること。18:25からはテレビ体操の時間なのに、新聞を読むのに熱中して忘れてしまう。歯医者に行く約束があるのに、あっと気が付いたら1時間過ぎていた。最近は「今日は10時から歯医者」と起きてから何度も自分に言い聞かせることにしている。

そして学生の名前が覚えられない。今は特にマスクをしているので、顔の区別がつきにくい。自分の専攻の学生だけでも名前と顔を覚えるべく、必死になっているが難しい。やるべきことを忘れるのと、名前と顔を一致させるのは記憶のメカニズムが違う気もするが。

毎朝のテレビ体操では、体操をする女性たちの名前を覚えることにしている。最初に覚えるのは「かわいい」と思った女性。これは無条件に覚える。ところがそれからが大変で、私の場合は知っている人の名前に結び付ける。「舘野」という出演者の名前は、同じ名前のかつての同僚と顔2つを無理に結び付ける。

あるいは「戸塚」という名前は「戸塚ヨットスクール」と覚える。かつて話題を呼んだこのスクールの事件を知らないとわからないが、この女性のどこか悲し気な様子はきっと昔戸塚ヨットスクールでいじめられたからに違いない、とか考えるとだんだん覚えてくる。テレビ体操は毎朝なのでいいが、週に1度会う学生、それも教室の奥でマスクをしている学生の顔は難しい。

戸塚ヨットスクールのように「連想」で覚える方法は、考えてみたら大学受験の時に使った。1492年はコロンブスがアメリカ大陸を発見した年だが、私は「アメリカを見つけて、いよー、くに!」と覚えていた。先日友人に話したら、「違う、意欲に(いよくに)燃えるコロンブスだ」と言われた。参考書によって違うのかもしれない。

英単語も同じように覚えた。なぜか「納屋」を意味するbarnは「ばーん(晩)、納屋でね」を覚えている。これは美人のお姉さんに「今晩、納屋で待っているわ」というイメージで記憶しており、妙に艶めかしいのでいつまでも覚えているのかもしれない。

高校生の時、英語は暗記のために単語カードまで作った。その後大学でフランス語を学んだ時はそんな努力はしていない。フランス人の先生と話したり、映画を見たりしていつの間にか覚えた。特に1年留学してからは、何となくフランス語のリズムが体に刻まれた。イタリア語もイタリア映画祭で大量のイタリア映画を見るうちに、単語を知らなくてもおおむねわかるようになった。

今の問題は中国語である。NHKのラジオとテレビで勉強して1年と2カ月だが、全くダメ。教材を持ち歩いて昼ご飯を待つ間も見ていたりするのだが、全く身につかない。やはり中国人女性に恋をしないといけないのか。

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