留学生と見る日本映画:その(3)
「留学生と見る日本映画」は去年の7月に(2)を書いて途絶えていたが、復活したい。なぜか5、6人の中国人留学生が私の大学院の授業に現れたのは2020年のことで、ちょうどコロナ禍と重なった。その年は戦前の日本映画を扱ったが、作品を指定してアマゾン・プライムやYoutubeで見て来てもらって、オンラインや対面で論じた。
去年が主に1945年から1952年までの日本映画を扱った。つまり占領下の日本映画である。『青い山脈』(1949)のような原節子主演の「民主主義映画」やガラス越しのキスで有名な『また逢う日まで』(1950)のような「接吻映画」が大いに盛り上がった。
今年は独立後の1950年代を扱うことにした。アマゾン・プライムで見られるものを基本として選ぶが、ちょうど『ゴジラ』(1954)が1週間後に有料となるのを知って慌てて選んだ。私は中国人留学生はみんな知っていると思っていたが、最近のハリウッド版や『シン・ゴジラ』は見ていても誰も元祖『ゴジラ』は見ていなかった。
彼らはそこに核実験反対のメッセージを見つけて驚いていた。これが「怪獣映画というより戦争映画」という川本三郎氏の解説にも納得していた。もちろん円谷英二のミニチュア撮影にも興味を持った。私は『ハワイ・マレー沖海戦』(1942)のミニチュアによる真珠湾攻撃の場面を見せた。
さらに2年後にアメリカでアメリカ人ジャーナリストを登場させた米国版ゴジラも一部を見せた。日本でも公開された『怪獣王ゴジラ』だが、これが世界各地で上映されてヒットしたことにも触れた。米国版は多いにウケた。
もちろん核実験に触れる映画が作られるのは、日本が独立したからである。私は次に原爆関係の映画をと思ったが、アマゾン・プライムで関川秀雄監督『ひろしま』(1953)が見つかった。私は実はこの映画を見るのは初めてだった。もちろん留学生も誰も見ていなかったが、驚いたのは発表した学生がこの映画が中国で同じ年に上映されていたと言ったこと。
そのリストには同じ監督の『きけ わだつみの声』もあったし、今井正『どっこい生きてる』『真昼の暗黒』『米』、山本薩夫『太陽のない街』など主に独立プロの映画が多かったが、木下恵介の『二十四の瞳』もあった。独立プロは中国共産党とパイプがあったのではないかと思ったが、このあたりは誰か研究しているかもしれない。
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