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2022年6月22日 (水)

還暦になって:おまけ

もう61歳になってしまったが、還暦になってもう一つ始めたことを思い出した。「寄付」を始めたのである。私はそれまで「寄付」をほとんどしたことがない。若い頃は自分のことに夢中で他人のことを心配する余裕がなかった。もっと正確に言うと会社員を始めた頃は金がなく、その後は寄付などを考える時間がなくなった。

最近流行の「クラウドファンディング」はどうも好きになれない。好きなことをやりたいならば、自分でお金を見つけないといけない、と今も思う。唯一寄付らしいものをしたのは2020年の「SAVE THE CINEMA」だが、あれは1万円で映画館で2本+配信8本(だから寄付ではない)、それ以上に「ミニシアター」に長年お世話になったという気がしたから。

ほかには勤務する大学の周年事業への寄付くらいか(これは強制に近かった)。私は「赤い羽根募金」さえしたことがない。私があんな目立つものを付けたら「偽善」にしか見えないだろう。それから「ふるさと納税」はどうも胡散臭い。

それが今年の2月末にロシアのウクライナ侵攻が始まり、各地で難民が出ているというニュースが流れた。何百万人も国外に逃れたという。そんな時、たぶんフェイスブックで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の募金を見た。そこで私は深く考えずに24,000円を寄付することにした。そこには医薬品を20人分届けられるなどと書いてあった。

カード番号などを入れたら簡単で数分で済んだ。それからお礼のメールが来て、さらにしばらくすると感謝状や領収書と会報のようなものが送られて来た。領収書を見ると、「特定非営利活動法人への寄付」で税制上の優遇が受けられるという。毎年確定申告で追い払いをしているので、その分が少しでも減るならありがたい。

そこには毎月の継続的な支援をする「国連難民サポーター」にならないかというお誘いもあった。税金が減る分くらいなら、と調子に乗って月に3,000円ずつ寄付することにした。するとまた礼状が来た。先方もなかなか商売(ではないか)がうまい。

月に3,000円ならば、今は宴会が減ったので大丈夫だと思った。節税効果は申告をやってみないとわからないが1,000円でも減ったら嬉しい。そんなこんなで、還暦にして何と「難民サポーター」おじさんになってしまった。これは65歳の定年までは続けたい。それ以降は収入がほぼなくなるので税金も取られないだろうから。

すると気がつくのは日本の危機的現状だ。池袋の食事の配給に何百人も並ぶ新聞記事などを読むと、難民もいいが、足元を見よと思い始めた。これもうまい誘いがあったら、3,000円くらい寄付するかもしれない。

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