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2022年6月10日 (金)

無観客で見た『東京2020オリンピックSIDE:A』

河瀨直美監督(総監督?)の『東京2020オリンピックSIDE:A』を劇場で見た。平日の夕方だったが、200席ほどのスクリーンに数名しかいない。去年のオリンピックで観客にわずかに関係者がいたような感じで、まさに「無観客試合」を見るような感じだった。

2020年1月に突然コロナ禍が始まり、ギリギリまでやろうとしたけど結局延期。翌年本当にできるのか誰もわからないままに1年が過ぎ、直前に無観客が決定。いつもなら話題のものを2、3試合は見るが、今回は私は1つも見ていない。「もうオリンピックはたくさん」という気分だった。たぶん1年後の今は、誰も思い出したくないのでは。

映画自体はそれなりに見ごたえがあった。冒頭の春の雪の描写や藤井風のつぶやきのような「君が代」は河瀨監督らしいタッチだが、あとは誰が撮ってもドラマチックになる。あまり焦点を定めず、解説もせず、1人の選手を5分から10分見せて、次の選手に行く。だから私のように全く見ていない者にはよくわからない。

一番印象に残ったのは終盤の女子バスケット。特に準々決勝でベルギーに最後の16秒で逆転勝ちした時は興奮してしまった。この映画は結果をきちんと見せないので、決勝のアメリカ戦は日本のシュートばかりを見せて最後にみんなが喜んでいるシーンが来たので、私は勝ったのかと思った。しかし見終わって考えてみたらアメリカ戦に負けて銀メダルだったことは私でも覚えていた。

この部分では、大崎選手がコロナで1年延びて出産を選び、出場できなかったことに焦点を当てていたのがよかった。彼女はすべての試合を会場に見に行く。この手法は柔道でもかつて金メダルを取った井上監督が選手たちの試合を見守る感じにも使われていた。

大崎選手もそうだが、カナダの女子バスケの選手など、夫と赤ちゃんを同行して試合に出る選手を何人も描いていた。そもそも女性の選手が全体の3/4くらいで、やはりこれも河瀨監督ならではだろう。そのほか生まれたイランを離れてモンゴル国籍で出た柔道選手やソ連、ドイツ、ウズベキスタンと国を変えて出場し続ける跳び箱の選手など。

前半に組織委員会の森前会長が出てきたり、山下JOC会長などが出てくるが、いかにも間が抜けている。たぶん本人たちは気がつかないだろうというくらいに仕上げている。前半にはオリンピック反対運動も何度か見せている。

見に行ったのは、この映画の最後の仕上げの文字起こしや映像確認作業に私の学生が10名ほど参加したからというのもあった。キノフィルムズから急ぎの依頼があった。彼らの名前もきちんと出ていたのを確認した。私は「SIDE:B」も見に行くつもり。

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