オンラインのイタリア映画祭:続き
オンラインのイタリア映画祭第2部(数年前の映画祭上映作品)のオンライン上映が7日(日)までなので、もう1本見ることにした。選んだのは『南部のささやかな商売』(2013)で単純に人気ランキング(つまり見られた数)が一番多かった。
監督で主演のロッコ・パパレオはこれまでも喜劇の脇役でよく見た俳優だが、監督は2本目という。私がイタリア映画祭をやっていた2000年代前半にデビューしたリッカルド・スカマルチョとバルボラ・ボブローヴァが出ているのも気になった。
映画は本当に見やすいというか、ユーモアたっぷりの軽い喜劇で見ていて実に心地よい良いシーンが続き、最後の楽しいフィナーレになった。冒頭はパパレオが神父の格好で「これが私の顔だ」と現れる。恋に落ちて教会を捨てた神父のコンスタンチーノは実家に戻るが、母ステッラに「世間に恥ずかしいから、父が昔住んだ灯台に行けと言われる。
捨てられた廃墟のような灯台で暮らし始めると、そこにコンスタンチーノの妹・ローザマリアの元夫(リッカルド・スカマルチョ)がやってくる。街中では妻に逃げられたことを子供にもバカにされるからという。さらに母の火事を手伝っていた東欧移民・ヴァルボーナの姉(バルボラ・ボブローヴァ)もやってきた。長年娼婦をやっていたが、40歳でもうやめたらしい。
極めつけはローザマリアが謎の恋人を連れてきたことで、それはメイドのヴァルボーナだった。つまりは元牧師と東欧系の元娼婦とレズのカップルとその1人に捨てられた男が暮らし出す。さらに屋根の修理に現れた父娘(ここに役所の社会福祉スタッフも出てくる)にそのアシスタントが加わり、しまいには自分のメイドと逃げた娘が戻って来て恥ずかしいという母までやってくる。
よくあるヘンな人々が偶然に一軒家に住み始めるパターンで、楽しいのは彼らが音楽が好きなこと。特に元夫のアルトゥーロは自由にピアノを弾いて歌う。そこに元娼婦のマニョーラも歌い、踊る。さらにマニョーラの貯金でその灯台をホテルに改装することになり、全員が働き始める。
最後はホテルの開店パーティでローザマリアとヴァルボーナの結婚式も兼ねていた。レズの結婚を認めない人々は去ってゆくが、彼らは上機嫌。最初からファンタジーの作りものの喜劇だが、愛すべき小品。オンラインで104分、千円は悪くない。
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