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2022年8月23日 (火)

『セイント・フランシス』にため息

最近、新作映画があまりおもしろくない。『リコルス・ピザ』は最低だったし、タイ映画『プアン』もダサくてうんざりした。最近劇場で見たアメリカ映画『セイント・フランシス』も、そのジェンダー意識と露悪趣味にため息が出た。

ブリジットは34歳でウェイター。大学を1年で辞めて未婚で、優しいダメ男とすぐに関係を持って妊娠して中絶をする。その生理や中絶やその後の出血などを生々しく何度もくどいように見せる。彼女はウェイターを辞めてレズ夫婦の子守になるが、その夫婦は実際に子供を産むヒスパニック系女性マヤと、バリバリにお洒落をして働くアフリカ系アニー。

つまり、ジェンダー差別や民族差別から最も遠い時代の最先端を行くようなレズ夫婦の世話をするドジな34歳の白人女という設定で、ブリジットは聡明なその娘フランシス(明らかにアフリカ系の血が混じっている)と毎日を共にするうちに、少しずつ成長し、自分の良さを悟るという流れ。

マヤは産後鬱になり、アニーはそれを浮気と勘違いしてブリジットまで疑う。ブリジットの両親は何の問題もない仲良しの老夫婦だったり、マヤの友人が遊ぶにくるとブリジットの大学時代の同級生で劣等感を抱いたり。マヤが公園で授乳する時に胸を出したことに抗議する金持ち女性にブリジットが抗議したり。

脚本はブリジット役のケリー・オサリヴァンで実体験をもとにしたというし、監督のアレックス・トンプソンはそのパートナーらしい。2人で十二分に話し合って、「政治的に正しい」シナリオを作り、最初の長編デビューとなった。

それなりに巧みな構成だと思うし、フランシスを演じた子供がよかったが、それにしてもあえてだらしない様子のブリジットをえんえんと見せるにはいささか閉口した。

こんな中くらいの映画をわざわざ見るのかと思うのは、最近イタリア映画史に残る古今の秀作をDVDや配信で1日に1本は見ているからかもしれない。あるいは新作を見る回数が減ったので、目が厳しくなったのか。あるいは単に暑いからか。

 

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