人類滅亡の後に
今朝がた見た夢は、人類滅亡後に一人で悩んでいるあたりから覚えている。とにかく火を焚こうと思った。枯木を集めてきて石にこすり付ける。それでも火は生まれない。そのうち小さな石を大きな岩に叩きつけたら、近くの木々が燃えた。
火を起こして何をするのか。とにかく殺生はいけない、と思った。動物でも虫でも殺せば、それが戦争の始まりである。次に現れる人類は、あらゆる戦争から遠ざかる必要がある。とりあえずどこかから土の器を拾ってきて、そこに川から水を汲んで、湯を沸かした。
熱くなった湯に近くの枯れた草花を入れて、なんとなくお茶のようなものを作ったが、まったくおいしくない。いや、美味しいという感覚がよくないのだと思っているうちに寝てしまった。
起きると自宅のベッドにいてトイレに行きたいと思ったが、また寝てしまった。次は海の中にいる。これは爽快で、ぐんぐん泳いだ。そして近くを泳いでいる小魚を食べた。殺生などはどこかに行ってしまった。ところがいつの間にか、大きな魚の中にいた。これがまた快適で、いくらでも食べものがあった。
しばらくするとそこには多くの知り合いが住んでいることがわかった。中には亡くなった友人や教え子までいた。ここは天国かと思ったが、その割にはずいぶんゴタゴタと雑多なものがおいてあった。今考えると、このあたりはマッテオ・ガッローネ監督の『ほんとうのピノッキオ』だろう。
そのうちにまた「火を焚こう」という話になった。なぜか川のそばにいて、たくさんの若い男女が泳いでいた。ここはギョーム・ブラック監督の『みんなのヴァカンス』かもしれない。私は少年で、必死で泳いでいた。人類滅亡はどこかに行ってしまって、楽しい夏休みになった。
そして必死で穴を掘っているうちに、そこから何か固い骨のようなものが出てきたところでびっくりして、起きてしまった。思い返して書いたが、いささか順番は狂っている気もする。起きたすぐにメモを取らないと、どんどん忘れてゆく。何度か必死で火を起こしていたのは間違いないが、あれは何だろうか。
還暦を過ぎて、だんだん子供に戻っていくような感じがある。
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