ロシア人の国外脱出に考える
ロシアのプーチン大統領がこの21日に「予備役兵の一部動員」を発表してから、国外脱出をはかる者が止まらないという。ビザなしで行けるトルコやアルメニア行きの航空券は売り切れ、陸路で行けるアルメニアやカザフスタンなどの国境には何キロもの列ができている。
「予備役兵」というから元軍人とかで一般の人々は関係ないかと思っていたが、テレビで列を作っている人々を見ると若者も多く、どう見ても元軍人には見えない。いわゆる職業軍人以外の「徴兵」を始めたら、誰が狙われるかわからないと思って逃げているのかもしれない。
確かに普通の暮らしを送っている人間にとって「戦争に行け」と強制されるのはとんでもない。各地で反対デモも起こったが、何千人単位で逮捕されたようだ。逮捕された者がそのまま戦場に送られるというニュースもある。
2月にロシア軍によるウクライナの侵略が始まった時、日本を含む多くの国々がウクライナ人を難民として受け入れた。さてロシア人が兵役忌避で国外に出たいという時、これは難民になるのかどうか。これは微妙な問題だろう。国境を接するフィンランドやポーランドは観光ビザでの入国を制限し始めたが、ドイツは受け入れに賛成という。
よくプーチンのウクライナ侵攻はかつての戦前の日本に例えられた。世界中が非難しているのに日本は中国侵略から真珠湾攻撃へと突き進んだからだ。しかし当時の日本では、醤油を飲んで高熱を出して徴兵検査で失格になるようなことはあっただろうが、反対デモはありえなかったし国外脱出もできなかった。
その点、さすがに現代は穴だらけで、ロシアで「戦争に行きたくない」と思えばあちこちに行ける。世界各地の情報もネットで入手できる。個人的には、ドイツのようにどんどん受け入れたらロシアが内側から崩壊するのにと思う。ロシアで戦争をしたくない人々も、ウクライナで戦火を逃れた人々と同じに考えることはできないだろうか。つまりは、権力に抑圧された人民は助けるべきではないか。
私も武器を持って人を殺すのは嫌だ。もう還暦過ぎだから戦争が起こっても徴兵はされないだろうが、そうなったらどうにかして逃げたいと思う。「赤紙」が来る前に国外脱出をするロシア人たちのニュースを見て、そんなことを考えた。それくらいこのニュースは妙にリアルに感じた。
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