岸田内閣危うし
最近、いろいろなニュースを見てつくづく思うのは、現代人は思考や方針よりもすべてを「流れ」や「雰囲気」で判断すること。私はなんで香川照之さんをあんなに非難するのかと思うが、「流れ」は決まってしまった感じでもう元に戻せない。
岸田内閣が危ないという「流れ」ができつつある。最初は安倍元首相が選挙運動中に倒れて自民党が大勝し、選挙のない「黄金の3年間」を手にしたはずだった。その勢いで国葬の閣議決定というところまで踏み込んだが、そのあたりからだんだんおかしくなる。
一番は、単なる頭のおかしいテロリストだと思った山上容疑者の抱えていた旧統一教会の闇が、思ったより何倍も深かったこと。安倍元首相を中心に自民党の奥深くまでしみ込んでいたことが明るみに出て、だんだん国家的な問題になってきた。
そのうえ、国葬の費用は当初2億5千万円と言っていたのが、16億円を超すとなった。なにやらオリンピックと同じで、最初は安く言って決めて、あとから実はどんどん高くなる戦法に思えた。オリンピックといえば、スポンサー関連で電通がらみの賄賂がどんどん出てきて森元首相にまで及んだことも、岸田内閣には逆風だろう。
そうして今朝の「朝日」を見ると、1面トップが沖縄知事選で玉城氏再選。官房長官の「県民のご判断であり、政府としてはコメントを控える」「日米同盟の抑止力の維持と普天間の危険性の除去を考え合わせた時。辺野古移転が唯一の可能性だ」というコメントには、やはり腹が立つ。2面を読むと自民が押した佐喜真氏に旧統一教会との接点があったこともマイナスだったらしい。
そして「朝日」1面左には、世論調査で岸田内閣支持率が最低の41%になり、不支持率が47%と初めて逆転したことが出ていた。沖縄知事選の結果と相互作用という感じで大きな逆風が流れ始めた。国葬は「賛成41%、反対50%」から「賛成38%、反対56%」と変わった。
そのうえ、エリザベス女王が亡くなって、19日の国葬には日本の天皇もアメリカのバイデン大統領も参加を表明した。バイデンが行けば、近い欧州はもちろん、世界各国の首脳が行くだろう。それから1週間後の東京に行く可能性はどんどん減る。エリザベス女王の後では、日本の国葬はどう見てもカッコ悪い。
国葬が終わったところで、岸田内閣は危ないかもしれない。自民党内部から潰されるのではないか。考えてみたら、岸田氏は国葬決定を除いては特に目立った決定や発言はなく、穏便にやってきたように思えるのだが。党内保守派を丸く収めるために国葬を決定したことから、急にすべてがマイナスに流れ始めた。
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