遅刻する学生に考える
大学で教えていると、午前中の授業には遅刻する学生がいることに気づく。列車の遅延などの理由もあるが、単に寝坊をしたということもありそうだ。特に学生の一人住まいだと起こしてくれる親もいないので、遅れてしまうのではないか。
一人暮らしを始めると夜更かしが楽しいのは、私も記憶がある。学生時代にオンボロアパートで、夜中に本を読みラジオを聞きレコードをかけるのは、本当に自分だけの時間という気がした。寝坊はよくあったし、会社員になっても飲み過ぎてたまに時間に起きられなかったこともあった。
先日、遅刻に関わるヘンな夢を見た。どこかのオフィスに着くと、「遅い」と言われて入れてもらえず、戸を閉められた。相手は何か大きなファイルを抱えていた。後で考えたら、それは最初に勤めた政府系機関の思い出と繋がっていた。
そこでは出勤は9:37までと決まっていた。本来の職務規定は9:30なのだが、たぶんエレベーターに乗る時間などを考慮して「労使協定」で7分の猶予が設けられていたはず。入口には出勤簿があって、着いた職員はそこにハンコを押す規則だった。人事課の若い職員は9時半にはやってきて、37分になるとその出勤簿をサッと引き上げた。
それ以降は遅刻扱いになって、査定に影響する(ボーナスがほんの少し減る)。そうすると37分ちょうどくらいに着いた職員は人事課員ともみ合いになった。もともと9時半くらいにドヤドヤと多くがやってくる。それぞれがハンコを押すのに10秒はかかるので、いつの間にか37分になっていたこともあった。
私はそこに5年半勤めたが、そのいたちごっこのような習慣は変わらなかった。もちろん今はやっていないと思うが、何というバカげた制度だろうかと当時も思っていた。なにより人事課の若い職員が、そんなバカな仕事をさせられたうえにみんなに文句を言われてかわいそうだった。
新聞社に移ったら、「出勤時間」なるものがないのに驚いた。だいたい10時から11時くらいにみんなやって来るが、会議がなければ一日中来ない人もザラだった。大事なのは仕事で結果を出すことで、私は本当に転職してよかったと思った記憶がある。
授業の話に戻ると、100人を超す大人数の授業では、助手に出席カードを配ってもらう。さすがに授業開始のすぐはかわいそうなので、だいたい20分後頃に配る。本当は出席は取りたくないが、そうしないとみんな平気でどんどん休むから。私もいたちごっこをやっているのかもしれない。
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