年賀状あれこれ
昔から、年賀状は苦手だった。最初に書き始めたのは小学校高学年だろうか。親友に2、3枚を出していた。大学生になってお世話になっている先生にも出すようになった。それでも10枚くらいか、表も裏も手書きで出した。
それは勤め始めてからも変わらなかった。しかし、仕事関係からの年賀状が会社に届き始めると、私は会社の住所のハンコを押して返信をするようになった。自宅に届くものは自宅の住所から。
新聞社の文化事業部に勤めだしたら、部で希望者には文化事業部の年賀はがきをもらうことができた。仕事関係はそこに自分の名前を書いて一言書けばよい。1990年代前半でパソコンが普及し、相手の名前と住所をエクセルで入力して自分で印字することが簡単にできるようになった。
それでも私は最小限を手書きにした。昔の友人を中心にたぶん20枚くらいだろうか。一般的には「年賀状を出さない人」だったのではないか。ある時期からは会社から出すのはすべて止めてしまった。例えば展覧会の監修をお願いした先生から会社に来ると、自宅から返事を出した。
覚えているのは、新聞社の場合は実は年賀状は前年の28日くらいに配達されていたこと。新年の年賀状配達は大変なので企業は年末に済ませていたのだろう。だから30日くらいに行けば各自に配られていて、そこからすぐに返事を書けば正月に2日くらいには届いた。
年賀状の数が急に増えたのは大学に移ってから。転職時に500枚の挨拶状を刷って、あらゆる関係者に出した。あとでしまったと思ったが、そこには自分の住所を書いていた。するとお正月に100枚を超す年賀状が届いた。最初の年はコンビニで出来合いの年賀葉書を買ったが、翌年からは知人の頼んでデザインしてもらうことに。
ところがあくまで前年に来た年賀状をもとに手書きで相手の住所氏名を書いていた。だいたい100枚くらいを出していたが、一言を入れると2日くらいの作業となった。10年ほどは年末行事のようにクリスマス頃にこれを続けていた。
2020年5月に美術展の新書を出した時、出版社から寄贈先をエクセルで送れと言われた。年賀状をもとに慌ててエクセルで30名ほどを送った。それから思い出しては自分から送り、それをエクセルに加えていった。昨年末にそれを印字しようとしたが、プリンターの故障がわかって断念。
ある時、ネット経由で年賀状を印刷している京都の会社が、エクセルを送れば宛名も印字してくれることがわかった。今年はこれをやろうと決めた。先方のエクセルのフォーマットに私のデータを移行するのに手こずったが、何とかできた。すると宛名まで印字された年賀状が一挙に届いてこれは便利。切手を貼って一言書くだけですむので、130枚ほどは2時間で済んだ。
そんなこんなで年賀状に苦しんで40年くらいたつが、振り返ると我ながらご苦労さんである。今の若者はSNSでおしまいだろうな。
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