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2023年2月20日 (月)

「論座」が終わる

私が折りにふれて書いていた朝日新聞デジタル「論座」が終わることになった。2月15日の公式発表によれば、新しい記事の掲載は4月下旬までで、7月にはサイトが閉じるらしい。その一方で新しいサイトが4月には始まるという。私の担当のTさんから事前に連絡があったが、これは残念だ。

調べてみたら、私がここに最初に書いたのは2012年2月。それから年に10本前後を書いたが全部で128本もあった。1本平均3500字としても約45万字で、200頁の新書ならば4冊分になる。私はこの11年間に単著は新書2冊しか書いていないが、多くの時間を「論座」(+このブログ)に費やしたことになる。

おおむね半分は担当のTさんからの依頼の原稿で、半分は自分の希望で書いた。いいのは書きたい時に書きたい内容を場合によっては連載で書けることで、こんなメディアはあまりない。大学に移った私が一番書きたかったのは、マスコミが支配する展覧会の実情と東京国際映画祭のダメな現状だった。

前者は書いたものを新潮新書の担当者Kさんが読んで、2020年5月に『美術展の不都合な真実』になったことはここに書いた通り。後者は本にはならなかったが、書くたびに東京国際映画祭の関係者が読んでくれて、結果としては数年前からの改革につながった(と思いたい)。

先週末に出した集英社新書の『永遠の映画大国 イタリア名画の120年史』も、『美術展の不都合な真実』がなかったら本にならなかったかもしれない。私から売り込んだわけだが、「新書を書いたことのある筆者」というのは安心感があったと思う。

大学の教員は、本来ならばじっくりと時間をかけて分厚い専門書を出すのが普通だろうが、私の場合は元来せっかちな性格のうえに新聞社に17年半もいたから、頭の中がジャーナリズム的にできている。そんな私にとって月に1回ほど3000字~5000字を書くのはピッタリだった。

おかしいのは「論座」の担当Tさんはこのブログを読んでいて、よく「あれをもっと深く書いてください」と依頼があったこと。期せずしてブログ→「論座」→単行本の流れができたかもしれない。このブログを始めたのは大学に移った時、映画の宣伝をやっているWさんから「ブログでも書かないと試写状は送れない」と言われたからだったが。

「論座」がなくなると困るのは、マスコミ試写や東京国際映画祭などに「「朝日新聞デジタル「論座」に書きます」と言えなくなること。東京国際映画祭でプレス扱いをしてもらえないと、チケットを買って見るしかなくなる。数年前なら本気で困ったが、今はまあそれでもいいかと考えている。それにしても残念。

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コメント

論座、長い間ありがとうございました! ちなみに新媒体の編集長は、古賀さんもよくご存じの佐藤美鈴です。

投稿: 石飛徳樹 | 2023年2月20日 (月) 08時26分

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