両親の夢
毎晩酒を飲んでいるが、外で友人と飲むと飲み過ぎる。そうすると夜中の3時頃に喉が渇いて一度起きて水を飲む。そしてそれから夢が始まる。先日は珍しく両親が出てきた。どこかのホテルの部屋で、父親はスマホ機能を持つ時計のWIFIがないと騒いでいた。父親が亡くなったのは30年以上前で、スマホも何もなかったが。
私は「先に行くから」と、母と一番下の姉と姪と甥を連れて出かけた。夜の10時まで開いている高級中華に行く予定だったが、もう9時近かったので急いでいた。店は四谷の大きなビルにあった。入ろうとすると、大勢の人々が帰るところだった。
そこは畳敷きの大広間のようなところで、靴を脱いで上がった。あちこちの席に食べた後の食器が散らばっていて、中国人の店員たちが必死で回収している。私たちが案内された席のあたりには誰もいない。座ると何も頼んでいないのに、ビールや料理が出てきた。
そこへ父親がやってきて「頼んどいたから、すぐ出てきた」と自慢げに言った。私は父親の自分勝手な行動に腹を立てたが、何も言わなかった。一番上の姉の姪と甥が満足そうだったので、いいと思った。なんだか落ち着かないままに目が覚めた。
考えてみたら、両親と旅行したのは小学校2年生頃が最後ではないか。父が近所の医者と天草や雲仙にゴルフに行くのに、一家でついて行った。あるいはバスを連ねた社員旅行にも行った。いずれにしても、父の会社が倒産してからは旅行どころではなかった。私や姉が母を旅行に連れ出したのは、父が亡くなってから。
私が大学院に行った時に両親がやってきた。入学式に出るというのが理由だったが、結局出なかった。浅草や上野に行ったはず。私はおいしそうな店をいくつか考えていたが、父親はいつも間口の狭い安そうな店を選んだ。「こういう店がうまい」と言いながら。母も私も不満だったが、何も言わなかった。
それから数年後に結婚すると決めた時に、先方に挨拶すると両親がやってきた。この時は不機嫌だった。父親は自分が決めたこと以外はすべて否定する人だったから。なぜ父親が今頃になって夢に出てきたのか。夢を見たその日の朝、姉からのラインで父親の命日だったことを知った。今年はあと数カ月で父親が亡くなった年になる。
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