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2023年3月12日 (日)

干す日々

最近、春休みで終日家にいることが多い。何を一番しているかと考えたら、いつも「干している」と思い立った。一番は洗濯物で、週に2度は洗濯をしてベランダに干す。もちろん雨の日は洗濯をしない。朝、天気予報を見て、さらに空の感じを眺める。

もう1つはマンションの前にある一戸建ての家の様子を見る。ここの中年女性は、晴れた日はほぼ毎日洗濯をする。いや、曇っていてもその後晴れそうな感じの日には一杯に広げている。晴れていてもその後雨が降る時には干さない。私は勝手に「洗濯マエストロ」と読んで、この女性のマネをしている。

今の時期は晴れが多いし、だんだん暖かくなって干すのが気持ちがいい。7年前の今頃にパリに行った時は困った。パリのアパルトマンでは窓の外やベランダに洗濯物を干すことは条例で禁じられている、というのは昔から聞いていた。確かに見事なくらい、誰も干していない。

私が借りた13区のアパートは北東側に道路に面した窓が3つあり、南西側には中庭に面した窓が2つあって日当たりが良かった。晴れた日には朝7時から洗濯をした。建付けの悪い3階建てのアパルトマンだったので、騒音で迷惑をかけないためにシャワーは朝6時から、洗濯は7時からと決めていた。

洗濯機は備え付けで、巨大な室内用物干しもあった。洗濯をすると、午前中は道路に面した窓を少し開けて内側に干した。日本から持って行ったハンガーが役に立った。そして昼過ぎになると中庭の窓の外に出した。「アジア人は外に干したい」とそこに住む台湾出身の青年に言うと「私も」と笑っていた。雨が降る日は、洗濯したものをコインランドリーで乾かした。

自宅の話に戻ると、洗濯以外にも洗った食器を干す。食器は水切りラックに入れて、少しでも日光の近いところに置く。食器洗い機や乾燥機は使ったこともない。そういえば、風呂場は洗濯物の乾燥室の機能があるが、これも滅多に使わない。

太陽の光で干すだけで、なぜか私は幸せな気分になる。最近は太陽がもったいないので、晴れた日はベランダに椅子を出して本を読みながら自分を干すことにした。これが何とも気持ちいい。

日本語だと「干す」というのは、仕事から外すという意味もある。私は最初の職場でも2つ目の新聞社でも「干された」経験があるが、大学教授は犯罪でも犯さない限り干されない。だから自分で自分を干している。いつの日か、ベランダで骨と皮になって発見されるかもしれない。

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