ボケて映画が見られない
先日、松竹から連絡が来て、小津安二郎の『父ありき』(1942)の4Kデジタル修復版の試写をやるので来ないかと誘われた。8月末に始まるベネチアに出るというので、長年ベネチアに通った私にも案内が来たのだろう。
そのうえ、案内を寄こしたのは20年前に小津安二郎生誕百年のプロジェクトを一緒にやったFさんだったので、昔を思い出して懐かしくなって行くことにした。松竹の3階試写室に着いたのは15分ほど前だが、暗くて誰もいないし冷房もなくて暑い。いったん1階に降りてメールを確認した。
確かに日付も時間も間違っていない。5分前にもう1度行ったが、やはり真っ暗。そこでもう一度メールを見た。すると、場所は松竹ではなく、竹芝に移転したIMAGICAの試写室であった。もう3分前だが、慌ててFさんの携帯に電話をした。
吹き出る汗を拭きながら、自分が情けなかった。これはもう、耄碌かもしれないと思った。そのまま自宅に帰って1人でいると気が滅入るので、大学に行くことにした。そうして助手たちに自分の愚行を語って笑いのネタにした。それでも一日中気が滅入った。
それから2日後。渋谷宮下に移転したル・シネマに『サントメール ある被告』を見に行った。その朝に座席を予約して、QRコード付き画面を写真に撮った、ところがその時間の少し前について時間になって入場しようとしたら、「これから『大いなる自由』の13:15分の回を開場します」と言われた。
私は『大いなる自由』は既に見ている。スマホの画面をよく見ると、なぜか予約したのは『大いなる自由』だった。さすがにまた見る気はしなかった。さてまた大学に行くかと思ったが、調べてみると30分後に『サントメール』が始まるのがわかった。
1階に戻ってチケットカウンターで購入した。行く場所もないので会場に戻ってロビーでドゥ・マゴーの珈琲を飲みながら、本を読んで時間をつぶす。幸いにして『サントメール』が相当におもしろかったので、1200円(シニア料金)を損したことはすぐに忘れた。
しかし家に帰ってしばらくすると、度重なる間違いに気が滅入ってきた。まあ、62歳のおじ(い)さんならばありうることだと思うが、やはりボケて映画が見られないのはショックだった。ここに詳細を書いたのは、書けばさすがに繰り返さないと思ったから。
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コメント
同じ年の古賀太さま
お疲れ様です
その程度で落ち込んでいては、とても海外なんて行けませんぜ!
元気出しましょう
投稿: onscreen | 2023年8月 6日 (日) 11時00分