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2023年8月 6日 (日)

今年は父が死んだ年になる:その(12)

父に比べると私はずいぶん文化的で趣味がいい、と書いた。それからしばらく考えていると、それでもケチな点は似ているという気がしてきた。いやむしろ私の方がお金を使わないかもしれない。父はゴルフや植木や狩猟や魚釣りなど、趣味にはいくらでもお金をつぎ込んだ。

私は映画をたくさん見るし本も買うが、その金額はたかが知れている。車も持たずゴルフもせず、スポーツもしない。旅行は国内も海外もほとんどが仕事がらみ。趣味というものがない。唯一酒だけはあまり金を考えずに飲むが、本当に高い店にはもともと行かない。私にとって一人一万円を超すとかなり高い部類になる。

これは父親にはなかったことだが、私は買物が大好きだ。特にコンビニ、スーパー、百貨店でウロウロするのは毎日のことと言っていい。だから野菜でも果物でもいつもその時々の値段を知っていて、高い時は買わない。今日までが賞味期限で3割引きなどは喜び勇んで買う。あるいはタイカレーの缶詰が100円で売っていると深く考えずに買ってくる。

だから実はお金を使わない。数万円を使うのは、たまに学生や卒業生にご馳走するくらいか。何となくお金を使うのに罪悪感というか、よくないものを感じる。お金を使わなくても本を読んで映画を見ておいしいものを食べていれば幸せな気がする。

これも父親との違いだが、彼は料理というものを一切しなかった。もともと台所には入らない主義でもちろん皿洗いも一度もしたことがない。私は小学生の時から姉や母が料理をしているとそれを見るのが大好きだったが、父親はそんな私を見て「男は台所に行っちゃいかん」と注意していた。

それにもかかわらず、私は大学生の頃から自炊していた。肝臓病で長期入院した後だったので、野菜と良質のタンパク質を取ることを心がけて、自分で料理をしていた。肉と野菜を炒めるのが中心だが、さまざまな味つけを試みようと、調味料をたくさん持っていた。

料理は今も大好きで、たまに料理の本を買ってきてはじっくり読む。そして料理に合わせてビールやワインや日本酒や焼酎を飲む。私にとっては映画と読書の次の楽しみかもしれない。父が元気だった頃、実家に帰っても料理はしなかった。嫌な顔をされるのがわかっていた。

そもそも彼とは一対一で酒を飲んだことさえない。大学生になってから、会話さえほとんどなかった。彼は自分の息子がコンビニやスーパーに毎日行って料理を作るようになるとは、想像もしなかったに違いない。

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