目覚ましをかける
前にここに書いたように、大学に移ってからはめったに目覚ましをかけないようになった。セットするのは海外に行くために早朝に家を出る時か、大学の入試業務で朝8時半に集合の時か。それもこの10年はなくなった。まず、パリやベネチアに行く時は夜中に出る夜便を使うようになった。この方が眠って起きると飛行機が着く感じでずっとラク。
入試は同じだが、いつの間にかどんなに遅くても朝7時までに必ず起きるようになったので、目覚ましは必要ない。だいたい、朝4時過ぎから6時過ぎまでの間に起きている。寝るのが夜10時前後のことが多いので当たり前だろう。
だいたい5時から5時半くらいの間に起きるのが、一番いい。4時過ぎだとちょっと眠いし、6時過ぎると時間が惜しい。ところがこの10月くらいから、4時に起きたり6時半に起きたりと差が激しくなった。あまりに長く夏が続いたせいかわからないが、これではどうも体調が安定しない。
そこで10月の終わり頃にスマホで目覚ましをかけてみた。大きく鳴り響くのは絶対に嫌だが、古い目覚まし時計では小さな音が設定できなかった。そこでスマホでそれこそ蚊の鳴くような音を探して最小の音に設定した。昼間だとほとんど聞こえない。これで起きられるか不安だったが、やってみるとこれがいい。
耳の向こうで本当に小さな虫が鳴くように聞こえる。2、3回聞いてようやく目覚ましだとわかって止める。これを5時25分に設定して1カ月くらいになるが、いい感じが続いている。4時くらいかなと思うと以前は時計を見ていたが、そうすると目が覚める。起きても「鳴る」まではじっとしている。するとウトウト。
そして5時25分に微音がすると起きる。それからしばらくじっとしていて5時半までに起きる。これで寝不足も寝過ぎもなくなって快調。それ以上に、毎朝、今起きるべきか、時計を見るべきか悩む必要がないので気楽。
昔、浅田彰さんが、大学の先生がいいのは目覚ましをかけずに好きな時に起きられること、とどこかに書いていた。学生時代の神様なのでそのことを覚えていて、先生になって10年以上実践した。しかしやはり私は凡人なので機械に頼ることにした。
そういえば、彼の『構造と力』が今月初めて文庫になるらしい。1983年に出てすぐに読んで以来だから、40年たつ。月日はあっと言う間に過ぎた。
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