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2023年12月10日 (日)

映画祭「移民とわたしたち」を終えて

私の学生企画の映画祭「移民とわたしたち」が8日(金)に終わった。たった1週間だし、主体は学生で私は会場に行かない日が2日もあったのだが、それでもイベント屋特有の疲れと満足感は感じた。

総入場者数は1977人。1回平均70人を超しているから、ユーロスペースとしてはかなりいい数字のはず。もともと会場費を払うのではなくあくまで興行としてやっているので、この映画祭をあの劇場で続けるにはある程度の動員は必要だ。

ちなみに今回は13回目で歴代入場者数では第4位となる。第1位は2018年の「朝鮮半島と私たち」で2622人。これは在日コリアンの方々がどこからかともなく現れたのが大きかった。ドキュメンタリー『在日 歴史篇』などは明らかにそうだった。その次は2016年「信じる人をみる 宗教映画祭」、2017年「映画と天皇」と続く。

『宗教映画祭』はキリスト教団体の新聞やネットにいくつか載ったのが大きかったような気がする。『映画と天皇』となると、なぜかはわからない。前年に平成天皇が引退を表明し、映画祭の直前に退位が閣議決定されたことで映画祭も各紙社会面で大きく報道されたからだろうか。天皇制への関心が全般に高まっていたのかも。

さて今回の映画祭の特徴はと言えば、これは既に2021年から現れていることだが、若い観客が増えたこと。よくアート系の映画館でコロナ禍以降、中高年が減ったことはよく聞く。小さな空間に密集する映画館は怖いというイメージだろうか。

映画は一度行くとまた行きたくなるが、しばらく行かないともう面倒になる。同時にコロナ禍で配信が定着し、中高年にも見る人が出てきたのだろう。若い人が増えたのはなぜかわからないが、今回は土日は混雑したのに平日の昼間の入りが悪かった。

お客さんはよくわからないが、今回は特に企画した学生たちのテーマへの関心の高さを感じた。映画を選んでいるうちに、在日コリアンの歴史に驚いたり、今の日本ではほとんど難民認定がなされない現状を知ったり。そういえば、小学生の時にカタカナ名前の同級生がいたとか、自分は留学を考えているがどのように見られるのだろうかとか、みんな考えている感じがわかった。

今回、あるプロデューサーの方から「映画を見せること」を実践で教える授業はありがたい、と言われた。映画業界全体で言えば「作る」よりも「見せる」人の方が人数はずっと多い。しかし若い人は「作る」ことに憧れる。「見せる」ことがどんなに大変で大事なことかをもっと知って欲しいと。改めてそうかなと思った。

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