久しぶりの満員電車体験に考える
先日、福岡に行った時、飛行機に乗るために朝8時15分頃に地下鉄に乗った。いつもはもっと遅いし、大学は都心と反対方向なので混まない。ところがその日は有楽町線で有楽町へ向かった。すると大混雑で、まず乗るのに一苦労だった。
何とか乗ったのはいいが、なかなかドアが閉まらない。3回開閉した後に、ようやく列車は出発。それから次に着くとまた出入りがあり、ドアが3、4回開閉する。普通だと地下鉄で10分くらいのところが、倍以上かかった。
そのうえ、福岡で2泊する荷物も抱えていたので、車内では完全に左右から圧迫される状態。降りた時には暑くて汗だくになっており、疲労困憊だった。ところが周りの乗客は何事もなかったかのように、降りて行った。
彼らにとっては毎日のことなので、しかたがないと諦めているのだろう。というより、何十年もやっていたら体が完全に慣れて自動で動くに違いない。私は20年以上会社員をやっていたが、その始めの頃はまさにこんな列車に毎日乗っていたのを思いだした。
住んでいたのは勤務先が安く貸してくれたマンションだったが、東西線行徳駅から歩いて何と15分。まず、駅に着くまで大変だし、雨の日はずぶ濡れになった。オフィスに9時半に着くために8時半くらいに家を出たが、その時間帯は列車に乗るのも大変だった。
1年くらいたって、早朝出勤を思いついた。7時頃に家を出ると行徳駅始発の電車があった。そこで8時前に着いて自分で会社の鍵を開ける。それからみんなが来るまで約1時間半。誰もいないし電話もかかってこないので仕事ははかどった。その時間は残業代に申請することもできた。そうして終業の17時半にできるだけ帰るようにした。
残業はたぶん今はあまりやらなくなったかもしれないが、かつては当たり前だった。そして遅くなれば遅くなるほど東西線は混む。21時以降は酒臭く、本当に気持ち悪かった。早く会社を出てもそれなりに混んでいたが、酔っ払いがいないだけマシだった。
たまに終電に乗り遅れることもあった。すると「東陽町行き」が2本あり、東陽町からタクシーに乗る。ところが長蛇の列で「白タク」に乗ることを覚えた。3、4人を1度に乗せてグルグル回り、料金はタクシーより少し安いくらい。何より待たなくてすんだ。
行徳に住んだのは5年ほど。転職する少し前に豊洲にマンションを買ったが、それがまた駅から遠かった。それでも混雑はだいぶ解消された。久しぶりに満員電車に乗って福岡に行くまでに、こんな30年以上前の日々を考えていた。
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