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2024年7月20日 (土)

今さら東大について

今朝の「朝日」のオピニオン面に「東大 イメージとリアル」と題して3人が語っている。「何を今さら」と思った。普通に社会人生活を数年やれば、「東大卒」というのがほとんど意味を持たないことは誰だって知っている。「さすが東大」とか「東大なのに」とか会話のネタ程度にしかならない。

私が最初に働いた特殊法人も次の新聞社も東大卒がゴロゴロいた。たぶん2割はいたと思う。ところがその大半はたいして仕事はできなかった。むしろヘンなプライドが邪魔するのか、大胆なアイデアや企画の行動力となると全然ダメだった。

たぶん大蔵省や商社だと本当にエリートがいるのかもしれないが、特殊法人やマスコミだとそうなれなかった人々が来ていたのか、とにかく役立たずが多かった。じゃあ、早慶だといいかというとそうとも限らず、仕事ができるかどうかに、どこの大学を出たかはほぼ関係なかった。

それで思い出したのは2人の知り合いだ。A君は私立の進学高に行っていた時の同級生で、とにかくピカ1の秀才だった。理系も文系も何でも百点だったが、なぜか東大に落ちた。その後、東大に何年も落ち続けて、結局、早稲田に行ったと聞いていた。

特に仲が良いわけではなかったが、彼と再会したのは1986年の春。私はフランス留学を終えて福岡の大学を卒業し、早稲田の大学院に行った。そこの学生ロビーで偶然会って言葉を交わしたが、彼は学部3年生だった。私は病気と留学で2年遅れたから、彼は4年遅れだったのだろうか。

その後どうなったか知らなかったが、ある時偶然にネットで彼が今では中高や大学受験の個人教師をしているのを知った。「受験」に翻弄された元天才が、まだそこにこだわっているのかと思った。

N君は少し下だが、東大生で驚異的な映画通だった。彼が学生の時からどんな仕事をするのかと我々映画ファンたちが期待していたら、ビデオの会社に入った。社内で「東大君」と言われたらしいが、そこでの勤務経験をもとに、その後は独立して自己啓発セミナーをやったり、小中高生の受験指導をしているらしい。また「受験」である。

彼らもそうだが、「東大」を頂点とした「受験」の呪縛から逃れられない日本人は今でも多いのかもしれない。つい、自分の子供にはと思うのか。「朝日」で小林哲夫氏が述べていたが、今は「出世のパスポート」のためではなく、「コスパ良い生き方の証明」で東大を目指すらしい。それにしてもあまり意味がない。

かくいう私も高校生の時は東大に行こうと思ったが、行か(け)なかった。今はそれでよかったと心底思う。

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