今日は都知事選
今朝、「朝日」を見て驚いた。1面のどこにも都知事選の文字がない。「トップは水の事故多発エリア」で次が「イラン大統領に改革派」、左肩に細長く「特定秘密の違法運用」。2面は水の事故の解説で3面はイランの選挙。
都知事選は都内版の半分と社会面の右ページの半分弱。社会面でさらにびっくりしたのは小池氏に始まる候補者の紹介が蓮舫氏は6人目で一番最後。事前調査で2位の蓮舫氏を最後に持ってくるとは、意図的に小さく見せようとしているとしか思えない。
きっとプロジェクションマッピングやオリンピックで小池氏に近い電通が広告局から圧力をかけたに違いない、と思う人もいるだろう。実際に中にいた私はそれはないと思うが、都庁の記者クラブからどうせ勝つのだからゴマをすっていた方が賢いよ、くらいのことはあったに違いない。テレビは見ないのでわからないが、どうもテレビでも同様らしい。こちらは電通の力は何倍も強いからそうだろう。
今回の選挙で初めてだと思ったことが2つある。これは私も池袋駅で見たが「ひとり街宣」が各地に出たこと。これはどういうところから始まったのかわからないが、みんなピンクのプラカードを持って一人で何気なく蓮舫氏を応援している。たぶん誰かが中心になって広めたのだろうが、この新現象は報道すべきでは。
もう1つは小池氏の演説で大勢の「やめろ」コールが起きたこと。ネットで金曜の新宿駅や昨日の銀座の様子を見たが相当な数でこれはやり過ぎか。選挙演説をしているのに「やめろ」は選挙妨害になる。安部元首相がかつて秋葉原でやじられて「あんな人たちに負けるわけにはいかない」と言ったのを思いだした。これは良し悪しも含めて十分に新聞で吟味すべきネタなのに。
この1週間、新聞はアメリカの大統領選の行方とフランスの総選挙第一回の結果とイギリスの労働党政権の誕生ばかりを論じ、今朝になってイランの話になった。よその国の選挙ばかりで、自分の国の首都の選挙は忘れた感じ。たぶん開票後の明日の朝刊からえんえんとやるのかもしれないが、遅いしずるい。
とりあえず、今朝の東京本社版朝刊は「今日、都知事選の投開票」と一面でやって、まずは投票を促して欲しい。とにかくみんな投票に行かないのだから。私はこの1カ月、授業のたびに選挙に行くよう学生に伝えているが、反応は悪い。何も聞かなかったような顔をするか、当惑するか、とにかく気まずい。
それでも私は鈍感力、老人力で選挙に行けと言い続けた。たぶん数名はそれで行くのではないか。さて誰に投票するかだが、それは個人の自由。大事なのは、自分が投票した人が何票で何位になったかをよく覚えておくこと。
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コメント
順番は届出順で他意はなく、順番を変えると問題になりそうです。
投稿: 山内健 | 2024年7月 7日 (日) 09時29分
候補者は届け出順に紹介するのが、新聞・テレビ問わず、日本の選挙報道の鉄則です。例外はありません。新聞社にいらした古賀さんですらご存じないということは、一般の人で「今回、メディアは小池に媚びて蓮舫に冷たかった」と思っている人は多いのでしょうね。
小生は個人的には、欧米のように、特定の候補者に肩入れする報道機関があってもいいと思います。どのみち、SNSの世界はすでに無政府状態で、若い世代はそちらを情報源にしているのですから。ただ、それには選挙民が成熟していて、最低限の良識ある判断ができる――少なくとも選挙を、バラエティーショーやAKB総選挙と同じ感覚でとらえない――ことが前提ですが。
投稿: 貴志友彦 | 2024年7月 9日 (火) 22時28分