還暦を過ぎて髪は増えるか:その(1)
昔から白髪もハゲもないのが、秘かに自慢だった。「秘かに」なのは、30代くらいから白髪や脱毛が目立つ同世代もいたから、あまり大っぴらには言えなかった。しかしどちらもない友人と飲むと、なんとなくこの話をした。
48歳で大学に移ったが、この時も髪は黒々、ふさふさだった。初めて「危機感」を覚えたのは2016年の秋のパリ。シネマテーク・フランセーズでフランスにおける日本映画を巡る座談会に出席した時、友人が何枚か写真を撮ってくれた。そのうち1枚は座談会が終わって客席に降り、観客と言葉を交わしているところを入口あたり(つまり上から)撮影したものだった。
すると私の頭の真ん中あたりに地肌が見えているのが明らかだった。私はそれを見てびっくりした。それから気をつけるようになったが、パリから8年後の8月、パスポート用写真を撮ると髪の薄さは明白だった。そしてパリとイスタンブール旅行で撮った写真は決定的だった。
当たり前だが自分自身のハゲは、よほどでない限り見えにくい。しかし写真は残酷に真実を見せてくれる。一般的には60歳を過ぎているようには見えないといつも言われるが、今後はそれもなくなるだろうと思うとちょっと寂しかった。
そんなある時、少し年下の髪のふさふさした友人が、髪を増やす治療をしてうまくいっていると教えてくれた。聞いてみると、いわゆる「つるっぱげ」になると難しいが、「薄くなった」状態ならば薬を使えば大半は持ち直すという。
慌ててパソコンで検索したら、ものすごい数のクリニックやサロンが出てきた。なかにはオンラインの診断だけで格安の薬を送ってくれるところもある。いずれにせよ、それなりの金はかかりそうだ。
どういう仕組みかわからないが、最近では自分のパソコンで何か検索すると、スマホでその関係の広告が出てくる。ある朝、フェイスブックを見ていたら、男性薄毛関係の広告が大量に出てきた。その中で良さそうなところを選んでアンケートに答えてメアドを入れてしまったら、速攻でオススメのメールが来た。
こちらから電話をして話してみたら割に普通だったので、そのままアポを取ったのが昨日の13時頃。そして15時半にはそのクリニックに出かけてしまった。正確に言えば行く前にそこの評判をネットで見たが、全体として金額は高めだが誠実そうな印象を持ったから。
いつでも断れると思いながら出かけたが、自分の頭髪のさまざま部分を映像で拡大して大きなパソコン画面で見せてくれたのは、説得力があった。全体に怪しい感じがあったが、まあいいかと1年分契約して薬をもらった。最初は毎月の契約にしようと思ったが、半年は続けないと効果は見えないと言われたし、解約すればその後の分は払い戻す、月ごとは割高になるなど説得された。
金額はとりあえず書かない。これから成功するか失敗するか、ここに開示していきたい。もし1年後に効果が現れたら、店名や金額を書こうと思う。まあ「見てて」ください。
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