「チコちゃん」に出る
先日、NHKの「チコちゃんに叱られる」に出た。これまでNHKは2000年の7月頃、『美術展の不都合な真実』を出したことがきっかけで「おはよう日本」に出たことがあった。本のパブリシティになるかと大張り切りだったが、あらゆる「宣伝」を拒むNHKらしく、あくまで一般論として美術展について語らされた。
この時はまずNHKの女性ディレクターから連絡があり、メールのやり取りを重ねて約10日後に取材。撮影と録音のベテランスタッフが大きな機材を持ち込むNHKらしい現場だった。それから2週間後ほどに放映されたが、特に反響はなかったし、それで本が売れた感じもなかった。
今回はそれとは大きく違った。まず民間の制作会社から連絡があってやり取りを重ねた。NHKの「チコちゃんに叱られる」を担当しているという。それから3週間ほど経って収録だったが、制作会社の40歳前後のディレクターが大学卒業したばかりのような若い助手を連れて現れた。最後までNHKの人は出てこなかった。
私への取材は、パパラッチの語源について専門家に聞くというもの。もちろん、フェリーニの『甘い生活』に出てくるカメラマンの名前がパパラッツォでそこから来たというのが正解だが、イタリア映画ということで『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』を書いた私にコメントを求めたようだ。
前回の「おはよう日本」は一応報道番組だったが「チコちゃん」はバラエティーだろうから(実は見たことがなかった)、私は最初に「謝礼がないとやりませんよ」と告げた。すると信じられないような小さな金額が出てきた。まあ、タダでなければ大学の宣伝にもなるしと思って受けた。
1時間強の収録が終わって3週間過ぎてから連絡があり、『甘い生活』の動画が使えないこともあり、追加で収録を依頼された。もう8月だったが、大学の事務の夏休み前の最終日に引き受けた。今度は私の台詞がすべて10枚ほどの紙に書かれており、パラパラとそれを見せられて私は読むだけだった。
そして2カ月と少したって放映された。驚いたのは反響である。長年会っていない熊本に住む母方の従兄は、福岡に住む私の姉に電話してきたらしい。「あれは太君ね?NHKに出るとはすごい」。大学に行ったら警備員のおじさんがニコニコと寄って来て、「チコちゃんに出てましたね」。
大学でも3人から「見ました」と言われたほか、「見ました」メールやLINEが5つ。姉がスマホで撮った動画をフェイスブックにアップすると、「見ていました」というコメントが相次いだ。東京は政見放送で翌日土曜朝の再放送はなかったにもかかわらず。「チコちゃん」恐るべし。テレビ出演はこれにて打ち止め。
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