『破墓/パミョ』を楽しむ
韓国映画『破墓/パミョ』を劇場で見た。予告編を見て気になったからだが、韓国で1200万人が見て今年一番のヒット作というのも理由の一つ。そして監督は今年43歳のチャン・ジェヒン。
冒頭から一気に引き込む。祈祷師の若い女性ファリムは助手のボンギルを連れて、ロスアンゼルスに向かう。飛行機で彼女が日本語が堪能なことがわかる。そこには富豪パク氏の長男が原因不明の病気に悩まされていた。そこで彼女は韓国の先祖の墓に問題があることを指摘する。
そこで加わるのが風水師のサンドク(チェ・ミンシク)と納棺師のヨングン(ユ・ヘジン)。この4人ががっちりチームを組むことで盛り上がってゆく展開はうまいと思った。この2人の男優はほかの韓国映画で何度か顔を覚えている。北部のカンウォンド(江原道)の山奥に約100年前に埋められた墓を見たサンドクは、破墓するほかないという。
パク氏の叔母も現れて祈祷をして土葬の棺桶を取り出して骨をようやく火葬して一件落着かと思われたが、その奥には「重葬」と呼ばれるもう一つの棺桶があった。そのうえ、それは縦型に立った状態で埋められていた。
そのあたりからパク氏の祖父は実は朝鮮を支配していた日本政府に取り入った裏切者だとわかってくる。4人組は顔にお経を書いて墓に向かうが、敵は日本の甲冑を着けて「関ヶ原の戦い」などを挙げながら4人を蹴散らす。このあたりはすべて日本語だが、日本人が吹き替えているようで違和感はない。
正直に言うと、前半は「いいぞいいぞ」と思いながら期待していたが、後半はやたらに怪物が出てくるホラーそのものでちょっと呆れた。個人的には2時間14分ではなく、1時間40分くらいでもっとコンパクトな方がよかった。最後の30分ほどはほとんどゲーム感覚で何でも出てきて、「反日」もかすんだ。
それにしても4人の俳優は抜群だし脇役のパク氏や叔母なども存在感を見せる。そしてたっぷり予算がかかっているので(5億円は超すのでは)、墓のシーンなど見応えたっぷり。
あまり反日や過去の歴史を深追いせずに、今風の楽しめるホラーということで韓国で大当たりしたのかもしれない。
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