今年見た映画
コロナ禍以降、映画を見る本数が減った。言い訳はいろいろで、コロナ禍で海外に行けないのでベネチア国際映画祭に行くのをやめたら新作を追う気分がなくなったとか、その頃から本を書き出したとか。
でも結局は、歳をとったからというのが本当かも。坂本龍一も舟越桂も72歳で亡くなった。ヘタをするとあと10年くらいしかない。平均しても2時間前後かかる映画をやみくもに見る時間はない。新作は自分が本当に見たいものだけにしたい、そう思うようになった。それでも今年は何とか百本ほどをスクリーンで見た。
さて「朝日」の石飛徳樹記者の年末「回顧」によれば、「2024は日本映画史にとって記憶されるべき数字となるだろう」らしく、『七人の侍』『ゴジラ』『二十四の瞳』の1954、カンヌの今村昌平と河瀨直美及びベネチアの北野武の受賞の1997に並ぶという。それはいくら何でもと思うが、読んでみると『ゴジラ-1.0』など主に海外での評価のようだ。
さて私の中で今年おもしろかった映画は何か考えてみる。邦画で残っているのは以下の通り。『彼方のうた』『夜明けのすべて』『悪は存在しない』『ラジオ下神白』『Cloud クラウド』『ナミビアの砂漠』『ぼくのお日さま』『SUPER HAPPY FOREVER』『HAPPYEND』『どうすればよかったか?』『王国』(公開は去年)。
これだとマイナーな映画ばかりか。考えてみたら、メジャーな日本映画はあまり見ていない。多くの場合、シネコンの予告編で何度か見てうんざりする。見ればそれなりにおもしろいだろうと想像できる監督の映画も、「見なくても別にいいか」となるのはやはり歳のせいか。
外国映画だとこんな感じ。『落下の解剖学』『エドガルド・モンターラ』『夜の外側』『オッペンハイマー』『墓泥棒と失われた女神』『関心領域』『WALK UP』『ツイスターズ』『ヒットマン』『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』 『宝島』『至福のレストラン 三ツ星トロワグロ』『本日公休』『チネチッタで会いましょう』
こちらの方が『オッペンハイマー』とか『ジョーカー』とか、メジャーな映画が少しは。さて2022年末までは「朝日新聞デジタル論座」に和洋とりまぜて「今年の5本」を書いていた。さてそれだと1位『夜の外側』、2位『オッペンハイマー』、3位『夜明けのすべて』、4位『ナムビアの娘』、5位『墓泥棒と失われた女神』か。番外は昨年公開の『王国』。
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