年末年始に考える:その(1)
不思議なことに、年末になると「ああ今年も終わりだ」と思う。今年はどんな年だったか考える。かつては年賀状を書くという行為があった。一年前に来た年賀状を読みながら住所、名前を書いて、さらに一言書いた。長年会っていないと書くことがなく、思い悩む。
住所をすべてエクセルにして、年賀状印刷と同時に印字してもらうようにしたのはたぶん2020年頃か。コロナ禍で時間があったから、エクセル入力をしたのだろう。すると、年賀状書きが格段に楽になった。それまで5、6日かけていたのが、たったの1日で済む。
書く内容も、よく会う人は「今年もよろしくお願いします」であまり会わない相手は「今年はお会いしたいです」、たぶん2度と会うことのない方へは「今年が良い年でありますように」とすれば、あっという間に終わる。
最近は来る年賀状の数も減った。「年賀状じまい」というのが流行っているらしいし、そもそも若い人は出す習慣がない。先日の「朝日」の調査で「年賀状を出さない」人が57%というから半分以上。1995年はこれが9%というからこの30年の変化はすさまじい。平成でインターネットが普及して、新しい生活様式になった。
私はかつては会社の年賀状約200通以外は、年賀状を買ってきて個人で20通ほど出していた。それから文化部記者になったら会社の年賀状がないので自分で年賀状を印刷するようになった。だいたい150通くらいで、それを大学に移っても続けた。去年来なかった相手には出さない。そうすると毎年減って、今では120通くらい。
元旦の朝、10時頃に年賀状を取りに行くのは楽しい。何十枚も自分の名前が書いてあると、一瞬だけ自分が王様のように見えてくる。実際読んでみると、別にどうということはないが。そしてエクセル表にチェックを入れてゆく。あといつまで続くかわからないが、少なくとも大学に勤めている間は続けようと思う。
年賀状の返事以外に正月に何をするか。以前はよく厚い本を買ってきて読んでいた。最近はそれも少なくなったのはなぜかわからない。「一般教養」を身につけよう、「話題の本」を押さえようという気がなくなったのは事実。まず何より、自分が書く本に関係のある本を読み、映画を見る。それから授業関連の本や映画。
だからコロナ禍以降、私にとっては還暦すぎてから、年末年始はずいぶん単調になった。去年の反省もなければ、特に今年の抱負もない。毎日を楽しく生きるのみ。
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