ふるさと納税3年目
このブログが便利なのは、あとから自分がいつ何をしたかがわかること。ちょうど日記や手帳を見るように、見た映画や展覧会、読んだ本などがいつなのか、ほぼわかる。この歳になると見た映画さえもさっぱり忘れてしまうから、自分でブログ内検索をすることも多い。
ある時気になって「ふるさと納税」はいつ始めたのか調べてみた。すると2022年末だとわかった。その時は自分の田舎から農産物が届くのでちょっと興奮したのがブログから伝わってくる。たぶん3万円で、3カ月間毎月地元の産物が届くものだったようだ。
その翌年は6万円で、2カ月に1度、野菜や果物が届くものに変えた。それがなかなかよかったので、去年末にも同じものを頼んだ。ちょうど米がなくなりつつあったので、2万円で10キロというのも頼んでみた。いずれも私の地元から送られてくるので悪い気はしなかった。
ところが去年末、正月に親戚が来るというので、今度は地元と全く異なる北海道根室にズワイガニ2万円を頼んだ。さすがにこれになるといかにも都会の金持ちが地方の名物を安く仕入れている感じで罪の意識が出てくる。
都民にとってふるさと納税は、東京都に収めるべき住民税を地方に持ってゆく制度に見える。昨年度は何と2000億円近い金額が地方に出て行ったというから、かなりの減収だ。世田谷区で減収が100億円を超したというニュースもあった。
そのうえ、これを考えたのは菅元首相が総務相だった時というので、私の中の印象は悪かった。彼の一番の自慢の業績らしい。私は知らなかったが、調べてみたら年収が多い者ほど寄付できる金額は多いということ。1000万円だと15万円ほど、2000万円だと50万円強を地方に納税することができる。
50万円とすると、2000円の負担で3割、つまり15万円の品が入手できることになる。これはどう見てもおかしい。だからやはりズワイガニはよくなかったと考えて、地元だけにしようと思っていた。
ところが先日、東京都が独自に高校授業料の無償化を進めていて、今年度から所得制限を撤廃したニュースがあった。大阪府には金額で東京都を上回る制度があるらしい。これに対して神奈川、千葉、埼玉などの県は不公平として反発している。東京都になぜそんなお金があるかというと、法人税は地方自治体の取り分もあって、大企業の本社の多い東京都や大阪府は圧倒的に豊かな税収となるという。
すると、ふるさと個人の住民税が少し地方に流れたからといって、大したことではない気がしてきた。高校進学率は98%なので義務教育に近く、本来はその費用は全国一律であることを国が保証すべき話だ。
どこかで税金の配分が間違っているのかもしれない。いずれにしても、やはり関係のない地方へのふるさと納税はやめることにしたい。
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