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2025年6月

2025年6月30日 (月)

コッポラの『メガロポリス』をどう見るか

フランシス・フォード・コッポラ監督の『メガロポリス』を劇場で見た。信頼する評論家からの「ひどいよ」という意見も「それでも彼らしい」「若々しい」という肯定的な見方もあったので、見たいと思った。

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2025年6月28日 (土)

堀越謙三さんが亡くなった

渋谷の映画館、ユーロスペース代表の堀越謙三さんが80歳で亡くなった。昨日の午後に知り合いから連絡が来たが、今朝になっても何度も彼のことを思いだす。考えてみたら、彼とがっぷり組んで仕事をしたことは1度もないにもかかわらず。

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2025年6月27日 (金)

『沖縄戦』が売れている

今年の4月に集英社新書から私の『ヌーヴェル・ヴァーグ 世界の映画を変えた革命』を含む4冊が出た。このうち、既に3刷となったのが林博史『沖縄戦 なぜ20万人が犠牲になったか』。今年は沖縄戦から80年でこの6月23日がその終わりの「慰霊の日」ということもあり、読んでみた。

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2025年6月25日 (水)

『ルノワール』の自由さ

早川千絵監督の『ルノワール』を劇場で見た。長編一作目の前作『PLAN 75』(1922)は高齢化社会を描く近未来SFでいかにも社会派だと思ったが、今回は一見そんな雰囲気が感じられない地方に住む少女の微視的な物語だ。

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2025年6月23日 (月)

『ドールハウス』のバカバカしさ

矢口史靖監督の『ドールハウス』を劇場で見た。この監督はこれまで『ウォーターボーイズ』(2001)や『スウィング・ガールズ』(2004)、『ハッピー・フライト』(2008)など、とにかくたっぷり楽しませてくれた。

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2025年6月21日 (土)

家庭用の紙フィルムとは

「紙フィルム」という言葉を聞いた時、私はすぐにワシントンの議会図書館が所蔵するペーパー・プリント・コレクション」のことかと思った。これは映画が生まれた頃まだフィルムに著作権がなかった時に、エジソンが映画を紙に転写して収めたものだ。このおかげで映画初期の多くの作品を現在でも見ることができる。

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2025年6月19日 (木)

『ミッション:インポッシブル』の没入感?

トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を劇場で見た。一番思ったのは、最近大学生がよく口にする「没入感」という言葉だった。これはどうも彼らにとって、映画を見る時の最大のポイントのようだ。

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2025年6月17日 (火)

今さら映画の入門書?:その(2)

『映画技術入門』で出色なのは、前に書いたように有名な作品の技術的データが書かれていること。例えば「16㎜で撮られた主な作品」のリストがある。カサヴェテスの『アメリカの影』(1959)やヴェンダースの『都会の夏』(1970)、ユスターシュの『ママと娼婦』(1973)、ジャームッシュの『パーマネント・バケーション』のように初長編が多い。

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2025年6月15日 (日)

『燈台守』と『迷宮の女』

先日、グレミヨンの『父帰らず』(1930年)を見たのは、シネマヴェーラの「ジャン・グレミヨン&ジャック・ベッケル特集」だったが、またグレミヨンを見にいった。行く前に調べて驚いたのは、この2人の監督の多くがアマゾン・プライムやユーネクストで見られること。

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2025年6月13日 (金)

『国宝』に考える

李相日監督の『国宝』を劇場で見た。これは「朝日」に連載していた頃から楽しみに読んでいたので、李監督の手で映画化されると聞いて嬉しかった。結果から言うと抜群におもしろかったが、少し不満も残った。

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2025年6月11日 (水)

鳥取県立美術館に行く

神戸への学会出張を利用して、鳥取へ出かけた。開館したばかりの鳥取県立美術館に行くためだ。ここの館長・尾崎信一郎さんは私と同じ歳で、20代後半に一度だけ一緒に仕事をしたことがあった。彼が兵庫県立近代美術館に勤めていた頃で、ローマとダームシュタット(フランクフルト郊外)巡回の「具体」の展覧会。

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2025年6月 9日 (月)

40年ぶりの『父帰らず』

ジャン・グレミヨン監督の『父帰らず』(1930)をシネマヴェーラで見た。たぶん最初に見たのは1985年にパリのシネマテークだったから、実に40年ぶりである。当時、各国のトーキー初期作品に興味があって、これは実におもしろかった。

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2025年6月 7日 (土)

サン美と都写美散歩

サントリー美術館で15日まで開催の『酒吞童子 ビギンズ』展を見た。これは同館が所蔵する重要文化財・狩野元信筆《酒吞童子絵巻》(1522)が解体修理を終えて公開されるのを機会に、そのほかの酒吞童子関連の絵巻を見せるというもの。

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2025年6月 5日 (木)

『雪どけのあと』にこもる熱い思い

6月14日公開の台湾のドキュメンタリー『雪どけのあと』をDVDの試写で見た。1996年生まれの女性監督、ルオ・イシャンの第一回長編というが、20代初めのとびきりつらい出来事を映像にすることで克服したような、熱い思いがじかに伝わってきた。

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2025年6月 3日 (火)

『ヌーヴェル・ヴァーグ』という本を出す:その(2)

集英社新書から『ヌーヴェル・ヴァーグ 世界の映画を変えた革命』を出してから、一カ月あまりたった。残念ながら、まだ増刷の話はない。勇気を出して編集者に売れ行きを聞くと、2年前に同じ版元から出した『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』とほぼ同じらしい。

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2025年6月 1日 (日)

『メイデン』の柔らかな風景

カナダのグラハム・フォイ監督の第一回長編『メイデン』を劇場で見て驚いた。1987年生まれで初長編というが、相当の才能の持ち主だ。明らかに16㎜で捉えられた荒い映像とざわめきの音が、10代の少年少女が全身で感じる世界を表現する。

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