1年ぶりのヨーロッパ:その(2)
パリで困ったのは、何と地下鉄のチケットだった。かつては週と月の定期券があり、それより短い滞在ならば10回綴りの回数券を買った。今回は短いので回数券をと思ったが、そもそも紙のチケットがなかった。去年買った残りの紙のチケットは使えたけれど。
紙のチケットの代わりに2€払ってプラスチック(去年)や固い紙(今年)のNavigo Easyを買って(PASMOなどに近い)、それにチケットをチャージする。去年と違うのは10回券割引がないことと、地下鉄とバスは違うチケットになること。
パリは、少なくとも私が留学した1980年代から去年まで地下鉄とバスは同一料金だった。ところが今年はバスとトラムは2€で地下鉄とRER(高速郊外線)は2.50€で別々にチャージが必要。そのうえチャージは地下鉄駅でしかできず、かつゼロになるまでは余分にチャージできない。
さらに、私はチャージしたNavigoで地下鉄の改札が開かなかった。駅員に聞くと故障のようで、手動で開けてくれた。そもそも駅員が大きな駅以外はほとんどいなくなった。別の駅でチケット売り場の横に無料相談電話があったので話したが、雑音でほぼ聞き取れない。
そんなこんなでパリの地下鉄、バスが大嫌いになった。もちろんこれは還暦を超した旅行者の感想で、事実は少し違うのかもしれないが。ついでに言うと、不愉快なタクシー運転手に2度も会った。クレジットカードを出すと散々嫌味を言われたのだが、これでもパリの印象が悪くなった。
ところがブリュッセルに行って驚いた。タッチ決済式の日本のクレジットカードで地下鉄やバスに乗れるのだ。1回2.30€で1日上限が8.40€と決まっているので安心。これは私は初めて見た。ほかの国にもあるのだろうか。とにかくチケットもチャージも必要ないから、全く並ばない。旅行者にはすごく便利。
私はフランスには30回以上行ったし、パリに1年、半年、3カ月と住んだこともある。ところがベルギーには1度も行ったことがなかった。新聞社で長年美術展の仕事をしていると、よく「あれほど名画のあるベルギーに行ったことがないとは」とよく言われた。一度は行きたいと長年思っていたら、今回友だちができたので初めて行くことになった。
年を取ると全く誰も知らない都市に行くのは気が重い。昨年のイスタンブールも、教え子にトルコ人の留学生がいたから。案内してもらわなくても、その国の人間からいろいろ情報を得られるのはありがたいし、急に垣根が下がる。
ほかにもブリュッセルがいかに素晴らしかったかは、次回書く。
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