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2025年9月28日 (日)

1年ぶりのヨーロッパ:その(4)

今回、高くなったのは飛行機だけではない。ホテルは9年前に住んでいた13区のアパートに近い小さなホテルがお気に入りだが、どんどん高くなるうえに今年は円が安いのでたまらない。9年前は1€=105円くらいだったが、今は170円だからレートだけで1.5倍以上になる。

さらに美術館代、地下鉄やバスの料金もタクシー代も値上げしている。ちょっとしたカフェで昼ご飯を食べても、前菜なしでいきなりメインに行き、食後に珈琲だけでも3000円を超す。夕食でワインを飲めば、庶民的な店でも1人1万円くらい。体感としては9年前の2倍は払っている。

その点、ベルギーはホテルが安かったのがよかった。友人に紹介してもらったイクセル地区の小さなホテルだが、先ほど書いた13区のホテルに似ていた。共に便利だが観光地からは離れていて、部屋数は50室ほどで周囲は実に静か。10年ほど前にできた感じで内装がシンプルでセンスがいい。朝食は果物や野菜の種類が多く、ナッツやヨーグルト、ハーブ茶など健康にいいものがたくさん。

どちらも地下鉄やバスなど何通りも使えるのでどこに行くのも便利。特にブリュッセルのトラムは快適だった。そして何よりスタッフが人間味があって、余計なことをせずにこちらの立場になって考えてくれる。どちらのホテルも好きだが、ブリュッセルは値段が半分くらいで部屋はより広かった。

ブリュッセルのホテルから少し歩くと、アールヌーボー建築の美術館というか元邸宅が2つあった。一つはオルタ美術館でもう1つはアノン邸だが、どちらも時間指定のチケットを売っており、1時間に10人強しか入れない。ヴィクトール・オルタはベルギーのアールヌーボーの代表的建築家で、自分が建築した自邸が美術館になっている。

5階建てだがワンフロアは50平米ほどのこじんまりとした家で、アトリエから台所や居間、寝室、トイレなど。予約時間より早く着いて待たされた庭も快適。もう1つはアノン邸でこちらは写真家として知られるエドワール・アノンがアールヌーボーの建築家に作らせた家。小さくて入口もわかりにくいが、ここもよかった。

イクセル地区ではほかに小さな噴水で子供たちが遊ぶシャトラン広場やテンボッシュ公園も気持ちの良い時間が過ごせた。フランス人でブリュッセルに移住する人がいると聞いたが、それはわかるような気がする。パリからユーロスターで1時間半弱だし。ベルギーのほかの都市にも行きたい。

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