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2025年10月 6日 (月)

高市自民党総裁に考える

ここでは政治のことはめったに書かないが、高市早苗氏が自民党総裁に選ばれたら何か言いたくなった。事前の予想では小泉進次郎氏が優勢だったが、SNS工作とか神奈川県での党票操作などが影響したのか失速した。

正直なところは、小泉氏のほうが「まし」だと思った。高市氏はとにかくタカ派というか、右寄りの姿勢が強すぎるから。それに私が歴代首相で最も苦手だった安倍晋三元首相の「継承」を掲げているからたまらない。

安倍の右派路線は菅、岸田で少しはソフトになったが、石破首相になって大きく中道へと揺り戻した。これがまた元の木阿弥で、あの時代に戻るのかと思うと暗澹たる思い。統一教会問題も裏金問題もすべてなかったことになるだろう。

本来ならば数の上からは野党が結束すれば首相指名を勝ち取れるが、自民党以上に右寄りの政党が複数ある以上、これは無理。怖いのはそういう極右に近い政党と自民党が組むことで、これはあり得ないことではない。最近党勢の弱まった公明党がそれを止められるか、あるいは公明党ナシの可能性もあるかも。

それにしても、国のトップが女性というのはいい。考えてみたら英国の元首相サッチャーもイタリアの現首相メローニもコテコテの保守派だ。メローニは極右に近い。ドイツのメルケル元首相は政策はリベラルだったが、母体は中道右派のキリスト教民主同盟。恐らく成熟した先進国でトップになる女性は、そうして男性保守層を安心させないと無理なのかもしれない。

望むらくは女性閣僚を増やすこと。ヘンな人でもいいので半分を女性にすれば、いろいろなことが変わるのでは。間違いなく企業の管理職の女性比率などに影響するだろう。誰でもいいので女性の社会参加を増やさないと、この国の未来は危うい。

さて、石破の中道路線と書いたが、昨日の「朝日」の海外の反響で韓国の大学教授が「石破茂首相は歴史を直視する姿勢などで韓国では評価され、韓国政府にとっても良いパートナーだった」と言っているのを読み、やはりそうかと思った。先日は釜山に行っているし、トップ会談の前に新大久保駅で日本人を助けようとして死んだ青年の墓に首相として初めてお参りをした。

もともと私は彼に期待していたが、やはりダメかと思い始めていた。ところが広島や長崎の心のこもった演説を聞いて驚いた。こんな首相はいなかった。さらに国連演説がもっとよかった。私はたまたま居酒屋で昼食中にテレビ中継で見たが、原稿を見ない30分の話は力強かった。パレスチナ容認は時間の問題と言い、明らかにロシアやイスラエルやアメリカや中国を非難し、国連改革を訴えた。

私はご飯を食べながら泣きそうになった。彼は辞める前にとうとう「戦後80年の談話」を出すらしい。高市+麻生の圧力に負けずに、言いたいことを言って欲しい。

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