今年の旅行
先日、広島に行った。考えてみたら、今年は例年になく旅行をした年だった。それも旧友を訪ねた旅が多かった。まず、5月末に鳥取へ行った。これは前に書いた気がするが、学会の神戸大会に行くのにわざわざ遠回りした。
それは鳥取県立美術館が3月末にオープンしたからだった。館長になった尾崎信一郎さんは同世代で、20代の時にローマで一緒に展覧会をやった。それからは特に仕事をすることはなかったが、連絡は続けていた。彼はいくつかの美術館に勤めた後、10年ほど前に鳥取県立博物館に移り、新美術館の準備を始めた。
開館記念展は、その美術館が集めた収蔵作品を中心に彼がそれまでの人脈を駆使して国内の美術館から優品を並べたもので、友情を別にしても見る価値があった。尾崎さんと会って展覧会を見て、近くの三朝温泉に泊まった。翌朝は特急に2時間半ほどで神戸に着いた。
学会というのは正直なところあまり性に合わないが、それでも知り合いはそれなりにいる。その学会の大会に最初に行ったのは1989年の京都で、ちょうど天安門事件が起きた頃だった。宴会の後に、ホテルで学生たちに向かう何台もの戦車を暗澹たる気持ちで眺めたのを覚えている。
それから10月に山形に行った。これはドキュメンタリー映画祭だが、そこにはいつも通り映画界の知り合いが大勢いた。1991年の第2回から毎回出かけているが、ここに来る人々は純粋な映画好きが多い。映画会社勤務もいるが多くは小さな会社で、映画館主もフリーの宣伝の人も映画監督も大学の教員も、別の仕事を持つ映画ファンもいる。
今年の山形はたったの2泊しかできなかったが、それでも2年に1度出かけるのはやめられない。2泊になったのは、福岡で中学生の同窓会に出たから。これはだいたい7、8年に1度開かれるが、前回から行っている。多くは地元か近くに住んでいて、50人くらいの参加者のうち他県からは数名ではなかったか。
これは学会とは違った意味であまり話すことがない。かつては同じ中学に通って同じような生活をしていたのに、今やあまりにも生活環境が違い過ぎて何の話をしていいかわからない。何となく酒ばかり飲んで酔っ払い、病気や健康の話をしていた。前回から何人かが亡くなっていたことに驚いた。次は70歳の年にやるらしいが、自分が生きているかはわからない。
11月にはここに書いたように、学生時代の友人たちが鹿児島に集まった。これは一挙に40年前にタイムスリップした感じで、実に楽しかった。やはり大学生時代は今の生活に繋がっているので、話すことは無限にあった。
そして先日、広島に行ってきた。これは学生時代の2年先輩で岡山で長年フランス文学を教えてきた方のアレンジで、仏文学会の中国・四国支部大会の講演に呼んでもらった。仏文学者の前で話すのは緊張したが、懇親会も含めて暖かく楽しい夕べだった。昼間に宮島の厳島神社に初めて行ったのもよかった。
9月にはパリとブリュッセルに行ったから、今年は例外的に旅行の年だった。
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