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2026年1月 8日 (木)

『エディントンへようこそ』のアメリカ

アメリカにはたぶん5回行ったけれど、さっぱりわからないと思う。テレビでニュースを見ている分には理解した気になるが、実際に行くといつも戸惑う。アリ・アスター監督の『エディントンへようこそ』を見て、やはり不思議な国だと思った。

舞台は「エディントン」という架空の町の2020年5月。コロナ禍が始まった頃であり、加えてブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動が、ジョージ・フロイドの死によって過激化した時期だった。 

そんな時に保安官のジョー(ホアキン・フェニックス)はスーパーでマスクをしろと言われても無視する。市長のテッドは町をロックダウンしており、ジョーは真っ向から対立し、次の市長選にすることを決める。ジョーの妻・ルイーズ(エマ・ストーン)は心を病んでいるが、どうも昔、市長と関係があったらしい。

さらに同居するルイーズの母親は明らかにすべてを陰謀と考えている。街中ではBLMのデモが起き、ジョーがしでかす失態は若者たちによって次々にSNSにアップされ、それを知ったジョーは益々過激な行動に出る。そしてとうとうテッドとその息子の殺害を企て、自分が市長だと言い放つ。

妻のルイーズはいかにも怪しげな教祖に惹かれて家を出る。隣の町の先住民の警官はすべてをお見通しで、事態をいい方向に向かわせる唯一の存在かと思ったが、そうはいかない。ジョーの暴走は止まらず、最後にはテロ集団とのハチャメチャな銃撃戦になっておしまい。

これほど見ていて不快な人々だけが出てくる映画も珍しい。やはりアメリカはわからない、とりわけ世襲の保安官がいるような田舎だと想像を絶している。そのうえ、基本的にすべてが狂ったジョーの視点で撮られているから、見ている自分がだんだんおかしくなってくる。

正月気分で見に行ったら、とんでもない映画だった。いつもいかにもいかれた人々をおもしろおかしく見せるこの監督はそれほど好きではないが、一見の価値はあるか。

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