「中国にとって最も戦争しやすい国は、実は日本だと思うんです」
私は今でも金曜の夕刊各紙を買う。映画評を見るためだが、最近は本当に夕刊を売る場所が減った。西武線の売店「トモニー」も東京メトロの売店もコロナ禍の頃から取り扱わなくなった。かつては自宅の最寄りの1つ江戸川橋駅で買えたのに、今では近くても2つ駅に乗る高田馬場駅か市ヶ谷駅まで行かないと入手できない。
「毎日」は金曜に夕刊に2面に1頁の大きなインタビューを持ってくる。ある日、元首相の福田康夫さん(89歳)が載っていた。私はこの人は元首相の中では個人的に誠実さを感じていたので、全文読んでみた。
そこにあったのが「まさか中国に戦争になると本気で考えている人はいないはずです。でも相手はどうか」「日本にそのつもりはなくても、実は中国にとって最も戦争をしやすい国は、日本だと思うんです」
「先の戦争の中国人の死者は少なくとも1000万人超といわれます。中国が日本に攻め込んできたのではありません。日本が中国に攻め込んだのです。今は中国の政治家も国民も、その事実を忘れたような態度をとってくれます。でも日中関係が険悪になれば、話は違ってきます」。この戦争で死んだ日本人は民間80万人を入れても300万人強と全く少ない。
「何かの拍子で日中関係が悪化すれば、過去の記憶が呼び覚まされ、14億人の中国人は奮起しますよ」。福田康夫氏は、大蔵官僚として南京に勤務した父親の福田赳夫元首相と共に1942年9月から南京で暮らしていた。
「今のような状況が続くと、習主席は日本とはもう付き合えないと思うかもしれない。中国が『台湾統一』を国是としているのは事実ですが、周辺国は米国とも協力しつつ、現状維持を図るほかない。そのためにも日本は火種を作るような物言いはしてはならないのです」。
世の中では、高市首相の発言を支持し、中国人観光客は来なくて結構、日本は中国なしでやっていけると勇ましいことを言う日本人が増えている。中国では第二次世界大戦で日本人の3倍以上が亡くなり(そのうえ民間人が900万人を超す)、その責任の多くが日本人にあることは忘れてはならない。それからまだ100年もたっていない。日本は「周辺国」なのだ。
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