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2026年2月25日 (水)

身辺整理の日々

最近、身の回りの不用品を処分し始めた。私はかつての会社員時代に国内外の出張が多く、よくホテルに泊まっていた。高いホテルに泊まると石鹸などのアメニティがたくさんある。貧乏性の私はその中で使えそうなものを、色々持って帰った。

櫛、石鹸、シャンプー、リンス、洗顔フォーム、ハンドクリーム、ボディーローション、髭剃りクリーム、歯磨きの類が何十と溜まっていて、使わないカバンの中に放置されていた。もちろん腐るものではないが、さすがに液体物のいくつかは固まったり、流れたりしている。

それらをすべて捨てるか使うかにしようと決めて、処分を始めた。不思議なことに20年前のイタリア製の歯磨きがまだ使えたりする。当たり前だが石鹸は大丈夫で、ホテルの名前やオクシタンなどのブランド名が入った小さな石鹸を使う。

これが意外に楽しい。例えばエストニアのタリンの「テレグラフ」というホテルの石鹸で洗うと、10年前にヘルシンキから高速船で出かけた美しい旧市街や繊細な食事を思い出す。スペインのサン・セバスチャンにある「マリア・クリスティーナ」の櫛を使うと、あの海岸沿いのちょっと鄙びた保養地が懐かしくなる。

ヨーロッパの高級ホテルに泊まるのを趣味としていたのは1990年代初頭、30歳前半の頃。92年夏に3か月、職場の語学研修と称してパリにいた時は、欧州各地の映画祭や演劇祭やアートフェスティバルに出かけて、一番いいホテルに泊まった。マリア・クリスティーナはその一つで、ロカルノのグランド・ホテルとかエディンバラのカレドニアン・ホテルとか、ヴェネツィアのデ・バンとか。

アメニティの質から言えば、国内のホテルの方が充実している。京都はブライトン、名古屋は東急ホテル、福岡はホテル日航、広島はリーガ・ロイヤルなどがよく泊まるが、このあたりだと様々なクリームやローションがある。最近は高齢のせいか冬は手足にあかぎれが出るので、そんなホテルのクリームを端から使っている。

それから衣類も処分を始めた。無印良品やユニクロで何年も着ていないものは、店舗に持っていけば引き取ってくれる。どちらでもないが数年着ていないものは、区のリサイクルセンターに持ってゆく。そうやって部屋の中のものを少しずつ減らしている。

あと1年近くで大学も定年になる。すると研究室から追い出される。さて大量の本やDVDをどうするのか。昔の石鹸やシャツを処分するのと違って、使い道がない。また古書店に売るしかないだろう。

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コメント

日芸の生徒です。その大量の本やDVDを学校の図書館に寄付していただけませんか?

投稿: 明太子 | 2026年2月25日 (水) 22時23分

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