初期アサイヤスに震える:続き『無秩序』
オリヴィエ・アサイヤスの初長編『無秩序』(1986)を日仏学院で見た。実は初めてで、初期アサイヤスが好きなのでぜひ見たいと思った。結果はかなりの出来で、若者たちがロックと恋愛の真っただ中に生きてゆくさまを、フィルム・ノワール風に仕立ててあった。
映画は車の中でアンヌがイヴァンとアンリの二人とキスをするシーンから始まる。彼らは深夜に楽器店に忍び込みいくつかの楽器を盗もうとするが、店主に気づかれていつの間にか3人は絞め殺してしまう。
なぜか警察の手は及ばないが、彼らの属するロックグループには大きな亀裂が生じる。仲間のうち、グザヴィエは彼らの犯罪を知り、イヴァンとアンヌを乗せた車をわざと衝突させた挙句、兵役に行ってしまう。残りのメンバーはロンドン公演に行くが、アンヌはイヴァンが写真家のコーラと仲良くなったのを知ってパリに帰るし、イヴァンも演奏に加わらず公演はキャンセルとなる。
イヴァンはコーラと暮らしているが、ある時喧嘩をしてアンリに会いに行く。彼の家に泊まることになるが、自殺していた。その葬式にグループのみんなが集まるが、アンヌは来なかった。アンリがアンヌに会うと彼女は40代の金持ちと結婚していた。
グループはニューヨークでレコードを作ることになり、アンリも向かう。しかしアンリは気乗りがせず、録音はうまくいかない。そこに突然アンヌがやってくるが、アンリはもうホテルを去った後だった。
自分たちが殺した楽器店主の死の影におびえながら5、6人の男女が愛し合いながら怒鳴りあう激しい展開に、私は2年前に作られたジャック・ドワイヨン監督の『ラ・ピラート』を思い浮かべた。このフランス化したベルイマン映画のような作品は、当時の若手に大きな影響を与えたと聞いたことがある。
あえて細かい説明を避けて、感情の高まりだけをとらえようとする演出がいい。アンヌがイヴァンとアンリの両方を愛し、この関係が永遠の愛としていつまでも続くのはトリュフォーの『突然炎のごとく』のようだ。
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