「大英博物館」展を見ながら考えた
10月18日まで開催の「百花繚乱 大英博物館日本美術コレクション 海を越えた江戸絵画」展を見た。正確に言えば「上野・大牟田・ブエノスアイレス」展を見に行ったついでに、同じ美術館でやっているから見た。
実は「大英博物館」展のチケットがあると、「上野」展は何と百円で見られることがわかった。「上野」展は普通だと65歳以上で1000円、「大英博物館」展は1600円なのに、先に大英博展を先に見たら合計1700円で2つ見ることができた。
結論から言うと、見ごたえはあったが、どこか落ち着かなかった。最初に説明してあるが、日本美術コレクションは主として2人の明治期のお雇い外人と1人の小説家の個人コレクションが収められたものだという。まるで「偉人」のように3人の顔写真が飾ってあった。
お雇い外人は明治政府が高給で雇った人々だ。大きな家とメイドを用意され、人力車で大学などに通っていた様子は映画などでよく見る。彼らはそれでもお金が余って、江戸時代の浮世絵などを二束三文で買って帰ったのではないか。
あるいは小説家がロンドンで購入した作品も、ロンドン万博やパリ万博の後に安く売りに出されていたものを買ったに違いない。文明開化、富国強兵、殖産興業、条約改正、和魂洋才などを掲げながら、何とか文明国になりたかった当時の日本を私は考えた。
たぶんその目的の前では江戸時代の浮世絵や屛風絵は何の意味もなかったに違いない。小遣い稼ぎにどんどん売ったのではないか。日本はその明治の政策が成功したのかどうか、一挙に世界の一流国に割り込んで行き、その結果として戦争に突っ込む。
そんなことを考えると目の前に並ぶ展示品が略奪されたもののように思えてきて、どうも腹が立ってきた。主催の朝日新聞社はさらにこれらの作品を借りるために、大英博物館に億単位の寄付をしているだろうし。美術の世界ではいつまでたっても日本は負け戦さという気がしてならない。
それに比べたら、20世紀に広まった映画はそんなことはない。日本は1930年代には既に映画大国となり、今に至るまでその地位を保ち続けている。米国、英国、フランス、イタリア、ドイツなどに比べても見劣りしない作品があり、世界の賞賛の的となっている。そんなことを考えた。
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