書籍・雑誌

2017年3月15日 (水)

『狂うひと』の狂気:その(2)

筆者の梯久美子が、島尾敏雄は妻に読ませるために日記を書いていたのではと考えたのは、2008年に会った敏雄の友人の話からだ。敏雄は九大時代に、下宿の女中に気があるようなことを、読まれることを前提に日記に書いて机の上に置いていたという。

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2017年3月13日 (月)

『狂うひと』の狂気:その(1)

梯久美子著『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』を読んだ。『全裸監督』とは100%違う内容だし、こちらは読むのに苦労するが、同じように熱狂して読んだ。島尾ミホとはもちろん『死の棘』などの著者、島尾敏雄の妻。梯久美子は『散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道』(2005)が良かったので、期待して読んだ。

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2017年3月10日 (金)

村上春樹の新作は:その(3)

『騎士団長殺し』についてもう1回だけ。「私」は、妻と別れた時はプジョーに乗っていた。彼は友人の父親の家に住む時にトヨタ・カローラ・ワゴンを買う。つまり、妻と再び暮らすまでの「自分探し」の時期に、フランス車から国産車に変える。周りの登場人物がジャガーやボルボやミニに乗るから、これは目立つ。

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2017年3月 8日 (水)

村上春樹の新作は:その(2)

『騎士団長殺し』は、まず題名からして村上の小説としてはわかりにくい。これまでのポップな感じがおよそなく、まるでかつての大江健三郎の小説の題名のようだ。これはモーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』から来るというのは、音楽好きの村上らしいが。

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2017年3月 4日 (土)

『全裸監督』にのけぞる:その(2)

村西とおること草野博美の人生には、信じられないほどの狂気といいかげんさと人情が折り重なっている。1980年にビニ本の小売店チェーンを作った時は、ビデオゲームで大儲けした北海道を選んだ。75日で全道に48店舗を作る。「ほどほどにしておくことができない、過剰な事業が爛漫と花咲き、この男に眠っていた狂気の拡大主義が頭をもたげた」

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2017年3月 1日 (水)

村上春樹の新作は:その(1)

先週の24日(金)に友人がフェイスブックで「今日は村上春樹の新作の発売と『ラ・ラ・ランド』の公開で心が躍る」と書いていた。村上の『騎士団長殺し』は発売前に重版を決め、第1部70万部、第2部60万部を刷ったという。一方、『ラ・ラ・ランド』は最初の土日が興収4億円超。

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2017年2月26日 (日)

『全裸監督』にのけぞる:その(1)

「ナイスですね」という言葉がある。実は私も前はよく使ったが、てっきり長嶋茂雄・元巨人監督の発言から生まれたと思っていた。ところがこれはAV監督として名高い村西とおるの言葉だということを、本橋信弘著『全裸監督 村西とおる伝』を読んで知った。

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2017年2月17日 (金)

『カリガリ博士』の大きさ

去年末に送っていただいた四方田犬彦さんの新著『署名はカリガリ 大正時代の映画と前衛主義』を、ようやく読んだ。四方田さんは、去年の4月にパリのシネマテークで衣笠貞之助について講演をした。パリにいた私は誘われて聞きにいったが、その内容をさらにくわしく述べたのがこの本だ。

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2017年1月20日 (金)

映画音楽の本が続々

「○○が続々」とか「△△の動きが止まらない」という表現は、ちょっとした流行を書く時に新聞が使う見出しや出だしの文章だけれど、最近思うのは映画音楽の専門的な本が増えたこと。それも「思い出の映画音楽」などとは違い、音楽の専門家が書いている本が多い。

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2017年1月16日 (月)

小津と文学について考える

川本三郎氏の『銀幕の東京』を読んでいたら、小津と文学について気になったので、本棚から貴田庄著『小津安二郎 文壇交遊録』を取り出して読んだ。前に読んだはずだが、今読むとこれがなかなかおもしろかった。

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