大学で何を学ぶか:その(2)
映画の理論系専攻を希望する学生が増えたと書いた。これにはもう1つ理由がある。理論系では同時に「映画ビジネス」も教えるからだ。大学で「映画ビジネス」というのは、普通に考えたら教えるのが一番難しそうだ。
映画の理論系専攻を希望する学生が増えたと書いた。これにはもう1つ理由がある。理論系では同時に「映画ビジネス」も教えるからだ。大学で「映画ビジネス」というのは、普通に考えたら教えるのが一番難しそうだ。
新聞にはよく「続きもの」がある。あるテーマをシリーズで何回かに分けて書く記事のことだ。私は新聞社を離れてもう16年もたつのに、ここでよく「続きもの」を書く。中には一回目で終わることもあるが、それでも「続きもの」を思いつく瞬間が楽しく、先のことを考えずに始める。
日本の大学に大学院が増えたのは文部省(当時)の「大学院重点化」からだと書いたが、これは1990年に東大から始まった。大学院生の数を数倍に増やし、文部省から別予算が出たので教員は「大学院教授」と名乗った。実際はほとんどが学部でも教えていたが、そうなった。
博士の謎は、実は今の大学院の本質的な問題に関わっている。1990年代から文科省の「大学院重点化」で大学院の学生数が急に増えた。一方で経団連の圧力もあって、もっと「実社会に役立つ学問」をという動きも強まった。例えばかつて大学でかなり教えていたフランス語やドイツ語は推奨せず、英語を中心にするという方向だ。
かつては博士号を取るのは理系がほとんどで、文系の場合は海外で取得する場合が多かったと書いた。それが近年国内の文系でもホイホイ出すようになったが、博士号を取るには「博士論文」を提出しないといけない。出すだけではなく、その後「審査」を受けて受理されることが必要だ。
かつて「末は博士か大臣か」という言葉があった。もともと明治の流行歌からきたらしいが、私が小さい頃、昭和40年代くらいまではよく使った記憶がある。明治以来の立身出世主義が、昭和にはまだ残っていたのだろう。
昔も今も、小中学校の夏休みは7月20日前後から8月末までと決まっている。北海道など地域によっては数日ずらすようだが、これが基本で変わっていない。かつて、私が大学生だった頃の大学の休みは7月初旬からだった。
一昨日の「朝日」朝刊1面トップは「国立大法人化20年 本社調査」だった。2004年4月に国立大学が法人化され、20年がたつ。「朝日」が学長にアンケートを送ったところ、15%が「悪い方向に進んだ」、52%が「どちらかと言えば悪い方向に進んだ」。つまり67%、7割近くが失敗だったと答えている。
国立大学法人法が改正されようとしている。東大などの一流校に「運営方針会議」の設置を義務付けるもので、大学教員などが反対している。私も署名が回ってきたのでサインした。さて「運営方針会議」とは何なのか。
私の学生企画の映画祭「移民とわたしたち」が8日(金)に終わった。たった1週間だし、主体は学生で私は会場に行かない日が2日もあったのだが、それでもイベント屋特有の疲れと満足感は感じた。
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